以下に、**人間の身体に必要とされる主要な成分(栄養素・機能性成分など)**をカテゴリ別に整理してご紹介します。一般的な健康維持から、関節・骨・皮膚・脳などの機能サポートに関連するものまで幅広く含めています。
🔹【基本的な五大栄養素】
これは全ての人が健康維持に必須の基本栄養素です。
| 分類 | 代表成分 | 主な働き |
| タンパク質 | アミノ酸(ロイシン、イソロイシン、バリンなど) | 筋肉・臓器・ホルモンなど体の構成成分 |
| 脂質 | 不飽和脂肪酸(EPA、DHA、オメガ3など) | エネルギー源、細胞膜の構成、ホルモン合成 |
| 炭水化物 | ブドウ糖、食物繊維 | エネルギー源、腸内環境の改善 |
| ビタミン | ビタミンA・B群・C・D・E・K | 各種代謝サポート、免疫・視力・抗酸化など多様な機能 |
| ミネラル | 鉄、カルシウム、マグネシウム、亜鉛など | 骨形成、酵素の働き、体液バランス調整 |
🔹【関節・軟骨サポート成分】
| 成分名 | 主な働き |
| グルコサミン | 軟骨の修復・再生を助ける、関節痛の軽減 |
| コンドロイチン | 軟骨の保水性を高め、衝撃吸収機能を保持 |
| MSM(メチルスルフォニルメタン) | 抗炎症作用、関節の柔軟性向上 |
| ヒアルロン酸 | 関節液の潤滑、肌の保湿 |
| Ⅱ型コラーゲン | 軟骨の構造材料 |
🔹【骨の健康に関わる成分】
| 成分名 | 主な働き |
| カルシウム | 骨・歯の形成、神経伝達 |
| ビタミンD | カルシウムの吸収促進 |
| マグネシウム | 骨の構造を安定させる |
| ビタミンK2 | 骨にカルシウムを運ぶ働き(オステオカルシンの活性化) |
| ボロン(ホウ素) | 骨密度の維持を助ける可能性あり |
🔹【脳・神経系を支える成分】
| 成分名 | 主な働き |
| DHA(ドコサヘキサエン酸) | 脳の構成成分、記憶力・集中力維持 |
| EPA(エイコサペンタエン酸) | 血流改善、抗炎症作用 |
| ホスファチジルセリン | 記憶力維持、認知機能改善 |
| アセチルL-カルニチン | 神経細胞のエネルギー産生に関与 |
🔹【抗酸化・老化予防系の成分】
| 成分名 | 主な働き |
| ビタミンC・E | 活性酸素の除去、細胞の酸化ダメージ防止 |
| ポリフェノール(レスベラトロールなど) | 抗酸化、抗炎症作用 |
| コエンザイムQ10(CoQ10) | 細胞のエネルギー産生、心機能サポート |
| アスタキサンチン | 非常に強力な抗酸化作用(美容にも◎) |
| ルテイン・ゼアキサンチン | 目の健康、加齢黄斑変性の予防 |
🔹【腸内環境・免疫サポート成分】
| 成分名 | 主な働き |
| 乳酸菌・ビフィズス菌 | 善玉菌の補給、腸内環境改善 |
| 食物繊維(イヌリンなど) | 整腸作用、血糖値・コレステロール抑制 |
| オリゴ糖 | 善玉菌のエサとなる |
| グルタミン | 腸管の修復、免疫細胞の栄養源 |
| ビタミンD | 免疫細胞の活性化にも関与 |
🔹【美容・肌サポート系の成分】
| 成分名 | 主な働き |
| コラーゲン(Ⅰ型) | 皮膚のハリと弾力 |
| エラスチン | 肌のしなやかさ維持 |
| セラミド | 皮膚のバリア機能・保湿 |
| ヒアルロン酸 | 水分保持、保湿効果 |
| ビオチン(ビタミンB7) | 髪・肌・爪の健康維持 |
🔹【その他 注目の機能性成分】
| 成分名 | 主な働き |
| L-カルニチン | 脂肪燃焼サポート、エネルギー代謝促進 |
| HMB(β-ヒドロキシ-β-メチル酪酸) | 筋肉量の維持・回復に役立つ |
| タウリン | 心臓・肝臓機能のサポート、疲労回復 |
| GABA | リラックス・ストレス軽減 |
| メラトニン | 睡眠の質の改善(※日本ではサプリとして未承認) |
続いて、以下のように 3つの切り口 で整理してお伝えしていきます。
🔹① 年代別に必要な成分
🔹② 目的別に必要な栄養・成分(疲労回復・美肌・更年期など)
🔹③ 食事から摂れる例
🔸①【年代別】に必要な栄養素・成分
| 年代 | 特に意識したい成分 | 主な理由 |
| 10〜20代 | タンパク質、カルシウム、鉄、亜鉛、ビタミンB群、D | 成長期・骨形成・代謝の活性化 |
| 30代 | ビタミンC、E、コラーゲン、葉酸、鉄、DHA | 美容と脳のケア、ストレス対策、妊娠・出産期の栄養管理 |
| 40代 | グルコサミン、コンドロイチン、大豆イソフラボン、ビタミンD、CoQ10 | 更年期・関節・骨密度対策、老化防止 |
| 50代〜60代 | カルシウム、ビタミンK2、オメガ3、ルテイン、マグネシウム | 骨粗鬆症・視力低下予防・心血管ケア |
| 70代以上 | タンパク質、B12、ビタミンD、HMB、乳酸菌、亜鉛 | 筋肉量維持、免疫力強化、栄養吸収力低下の補助 |
🔸②【目的別】におすすめの栄養・成分
💪 疲労回復・スタミナ
- ビタミンB群(特にB1・B2)
- クエン酸(梅干し・レモン)
- タウリン(栄養ドリンクにも)
- コエンザイムQ10
- ローヤルゼリー
🧠 脳機能・集中力・記憶力
- DHA・EPA(青魚)
- ホスファチジルセリン
- ビタミンB12・葉酸
- GABA(リラックス効果も)
- アセチルL-カルニチン
👩 美肌・アンチエイジング
- コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチン
- ビタミンC・E(抗酸化)
- アスタキサンチン(強力な抗酸化)
- セラミド(保湿)
- プロテオグリカン
🦴 骨・関節のケア
- グルコサミン、コンドロイチン
- ビタミンD・K2
- カルシウム、マグネシウム
- Ⅱ型コラーゲン
- MSM(メチルスルフォニルメタン)
👩🦳 更年期サポート(女性)
- 大豆イソフラボン(植物性エストロゲン)
- ビタミンD・E
- カルシウム、マグネシウム
- GABA(イライラ緩和)
- プラセンタ(美容・ホルモン様作用)
💓 生活習慣病予防(血糖・血圧・中性脂肪など)
- 食物繊維(糖・脂質吸収を抑制)
- オメガ3脂肪酸(EPA/DHA)
- ポリフェノール(抗酸化・血管の健康)
- ナットウキナーゼ(血液サラサラ)
- L-カルニチン(脂質代謝)
🔸③ 食事から摂れる成分例
| 栄養・成分 | 多く含む食材 |
| グルコサミン | えび・カニの殻、軟骨(サプリでの摂取が主) |
| コンドロイチン | フカヒレ、うなぎ、なまこ、鶏軟骨 |
| コラーゲン | 鶏皮、豚足、手羽先、魚の皮、スジ肉 |
| カルシウム | 小魚、チーズ、ヨーグルト、青菜 |
| ビタミンD | きのこ、鮭、サバ、いわし、卵 |
| オメガ3(DHA/EPA) | 青魚(サバ、イワシ、サンマ)、亜麻仁油、チアシード |
| ビタミンB群 | 豚肉、レバー、納豆、玄米、卵 |
| ビタミンC | 赤ピーマン、ブロッコリー、いちご、キウイ、柑橘類 |
| 鉄分 | レバー、赤身肉、ひじき、大豆、ほうれん草 |
| 亜鉛 | 牡蠣、牛肉、納豆、カシューナッツ |
📝 まとめ(カンタンに)
- 🧠 頭をスッキリ → DHA、ビタミンB群、GABA
- 👩🦳 女性の変化サポート → イソフラボン、ビタミンD、マグネシウム
- 🦴 動ける体の維持 → グルコサミン、カルシウム、コンドロイチン
- 👩 美肌・若々しさ → ビタミンC、コラーゲン、ヒアルロン酸
- 💪 疲労・ストレス対策 → タウリン、クエン酸、CoQ10、B群
次に、**「体内で合成できない、外から摂取しなければならない栄養素」**のことを、科学的には 「必須栄養素(Essential Nutrients)」 といいます。詳しく説明していきます。
🔹人間が作り出せない ≒ 必ず食事から摂る必要がある栄養素
人間にとって必須な栄養素には、以下の5カテゴリがあります:
【1】必須アミノ酸(9種類)
体を作る「タンパク質」の構成要素ですが、体内で合成できない9種類は「必須アミノ酸」と呼ばれます。
| 必須アミノ酸 | 主な役割・効果 |
| バリン | 筋肉修復、エネルギー供給 |
| ロイシン | 筋肉の合成促進、肝機能サポート |
| イソロイシン | 血糖調整、筋肉修復 |
| リシン(リジン) | 成長促進、カルシウム吸収 |
| メチオニン | 肝機能サポート、抗酸化作用 |
| フェニルアラニン | 神経伝達物質の材料 |
| トレオニン(スレオニン) | 肝臓・免疫サポート |
| トリプトファン | セロトニン・メラトニン合成、睡眠・精神安定 |
| ヒスチジン(子どもは必須) | 成長期に重要、免疫機能 |
【2】必須脂肪酸(2種類)
脂質の中にも体内で作れない成分があり、これは「必須脂肪酸」と呼ばれます。
必須脂肪酸
| 主な食材 | 働き |
| リノール酸(オメガ6) | 植物油、大豆、ナッツ |
| 細胞膜の構成、ホルモン調整 | α-リノレン酸(オメガ3) |
| 亜麻仁油、チアシード | 脳・心臓の健康、抗炎症作用 |
※体内でEPAやDHAに一部変換されますが、その変換率は低いため直接摂取も重要です。
【3】ビタミン(13種類)
ビタミンの多くは体内で十分に合成できないか、まったくできないため、食事から摂取が必須です。
ここでは13種類のビタミンすべてを「水溶性」と「脂溶性」に分けて、働き・欠乏症・過剰症・多く含む食品まで詳しく解説します。
🔹【水溶性ビタミン】9種類
水に溶けやすく、体に蓄積されにくいため、こまめに摂取する必要があります。
| ビタミン名 | 主な働き | 欠乏症 | 過剰症 | 多く含む食品 |
| ビタミンB1 | 糖質の代謝を助ける、神経機能の維持 | 脚気、倦怠感、食欲不振 | ほとんどなし(排出される) | 豚肉、玄米、大豆 |
| ビタミンB2 | 脂質の代謝、皮膚・粘膜の健康維持 | 口角炎、舌炎、皮膚炎 | ほとんどなし | レバー、卵、牛乳 |
| ナイアシン(B3) | エネルギー代謝、皮膚や神経の健康 | ペラグラ(皮膚炎・下痢・認知障害) | 肝機能障害、皮膚紅潮(大量摂取時) | 肉、魚、全粒穀物 |
| ビタミンB6 | アミノ酸代謝、神経伝達物質の合成 | 皮膚炎、貧血、けいれん | 神経障害(長期過剰摂取) | 鶏肉、バナナ、魚 |
| ビタミンB12 | 赤血球の合成、神経機能維持 | 悪性貧血、手足のしびれ | ほとんどなし | レバー、魚介類、卵(※植物性食品にはほぼ含まれない) |
| 葉酸(B9) | 細胞分裂、妊娠中の胎児の発育に重要 | 貧血、胎児の神経管閉鎖障害 | ビタミンB12欠乏の症状を隠すことがある | 緑黄色野菜、レバー、納豆 |
| パントテン酸 | 代謝(糖質・脂質・タンパク質)に広く関与 | 倦怠感、頭痛、しびれ | ほとんどなし | 卵、レバー、鶏肉 |
| ビオチン | 糖・脂質・アミノ酸の代謝、皮膚・髪の健康 | 皮膚炎、脱毛、うつ症状 | ほとんどなし | 卵黄、ナッツ、大豆製品 |
| ビタミンC(アスコルビン酸) | 抗酸化作用、コラーゲン生成、免疫強化 | 壊血病(出血しやすくなる) | 下痢、吐き気(大量摂取時) | 野菜、果物(特に柑橘類、イチゴ、ブロッコリー) |
🔸【脂溶性ビタミン】4種類
脂に溶け、体に蓄積されやすいので、過剰摂取に注意が必要です。
| ビタミン名 | 主な働き | 欠乏症 | 過剰症 | 多く含む食品 |
| ビタミンA(レチノール) | 視力維持、皮膚・粘膜の健康、免疫力維持 | 夜盲症、皮膚乾燥 | 頭痛、吐き気、肝障害、胎児奇形(妊娠時の過剰摂取) | レバー、うなぎ、にんじん(※βカロテン) |
| ビタミンD | カルシウム吸収を助け、骨を強くする | 骨軟化症、くる病(子供)、骨粗鬆症(高齢者) | 高カルシウム血症、腎障害 | 魚(鮭、サンマ)、きのこ、日光浴(皮膚で合成) |
| ビタミンE(トコフェロール) | 抗酸化作用、細胞の老化防止 | 神経障害(まれ) | 出血傾向(抗凝固薬との併用で注意) | ナッツ、植物油、アボカド |
| ビタミンK | 血液凝固、骨形成 | 出血傾向(止血しにくくなる) | 血栓のリスク(サプリの過剰摂取時) | 納豆、緑黄色野菜、肝臓 |
📝ビタミンの覚え方(語呂合わせ)
● 脂溶性ビタミンの語呂合わせ:
➡️ 「DEKA(デカ)ビタミン」
→ D・E・K・A(ビタミンD, E, K, A)
✅ 最後に:ビタミンは「バランス」が大切
- サプリメントで摂る際も、過剰摂取に注意
- 一部ビタミン(特にB12やD)は食事だけでは不足しやすい人もいる(例:菜食主義者、室内生活が多い人)
- 加熱や水に弱いものもあるため、生食や蒸し料理で効率よく摂れる
【4】ミネラル(必須ミネラル)
人間の体では全く合成できないので、すべて外から摂取する必要があります。
多量ミネラル(主要ミネラル)
- カルシウム(骨・神経)
- リン(DNAやATPの構成)
- マグネシウム(酵素・神経伝達)
- ナトリウム・カリウム・塩素(体液バランス)
微量ミネラル(必須微量元素)
- 鉄(血液中のヘモグロビン)
- 亜鉛(免疫・酵素)
- 銅・セレン・マンガン・モリブデン・ヨウ素・クロム など
【5】水(H₂O)
意外かもしれませんが、「水」も人間にとって必須栄養素のひとつです。体内でエネルギーからも一部生成されますが、不足分は飲料や食事からの摂取が不可欠です。
✅ 人間が
部分的には作れるけれど不十分なものもある(準必須)
- ビタミンD → 日光(紫外線)を浴びれば皮膚で合成されますが、日照不足の現代人では不足しがち。
- ナイアシン(B3) → トリプトファンから変換されるが、量が不十分になることも。
🧠 補足:非必須だけど健康に役立つ成分(機能性成分)
- グルコサミン・コンドロイチン
- コラーゲン
- アスタキサンチン
- GABA
- プロバイオティクス(乳酸菌・ビフィズス菌など)
これらは「必須栄養素」ではないですが、生活の質(QOL)を向上させる成分として人気です。
🔚 まとめ
| 分類 | 人間が作れないから摂取が必要なもの |
| アミノ酸 | 必須アミノ酸(9種) |
| 脂質 | 必須脂肪酸(2種) |
| ビタミン | 13種類(ほぼ全て) |
| ミネラル | 全て外部摂取が必要 |
| 水 | 毎日摂取が不可欠 |
💬最後にひとこと
基本的な成分がどのように働くのかを覚えていると自身の症状に役立ちます。
さらに加えて吸収補助排泄などに関わる成分も調べて食事に取り入れてみると良いと思います。
栄養がしっかりと身体を巡るように働く成分を覚えて摂取してみましょう。
HSP/HSC専門サロン Momoco Academy 山崎ももこ




















