スクールで卒業
(なお、手術が必要である方、ダウン症、てんかん(強直間代発作)がある方は、卒業できません。)
発達障害とは
そのため、定まった定義は今のところないようです。
外見からは障害があることがわかりにくいため、誤解されやすい。
一般的に知的レベルは問題なく、特定の分野においては逆に優秀な人が存在することもあります。
”空気を読めない人”もこれに当てはまる可能性があります。知的レベルは正常なので、学業成績などは問題なく、社会人になってから初めて異常が見つかり診断されるケースが増加しています。症状は適応障害と類似する部分が多いですが、環境のストレスにより発症する適応障害とは異なり、発達障害は幼児期から学童期に発症するという点で異なります。
「大人の発達障害」という言い方をすることがあります。これには「社会性の障害」という側面があることが特に大きな理由になっていると考えられています。周囲の人や環境との関わりの中で、困難さが生まれてくることで、症状が明確になるという特徴があり、社会性の障害としてうきぼりになるため「大人の発達障害」であると言われています。
最近の診断分類(アメリカ精神医学DSM-V)では、自閉症とアスペルガー症候群を合わせて自閉スペクトラム症に統一されて分類されています。各々の特徴については以下のとおりです。
発達障害の分類
①自閉スペクトラム症(広汎性発達障害)(ASD)
自閉症
アスペルガー症候群
②注意欠陥多動性障害(ADHD)
③学習障害(LD)・限局性学習障害(SLD)
④知的障害
⑤発達性協調運動障害(DCD)
①自閉スペクトラム症(広汎(こうはん)性発達障害)(ASD)
人とコミュニケーションをとることが困難、強いこだわりがあるなどの特徴があるものを自閉症スペクトラム障害(ASD:Autism Spectrum Disorder)と呼びます。この中でも、言葉の遅れや知的障害を伴うものをカナー型自閉症といい、知的障害を伴わないもの(知能指数(IQ)が70以上)を高機能自閉症(アスペルガー症候群)といいます。カナー型自閉症と高機能自閉症の違いは知的能力の差に過ぎず、基本的症状は同じです。知的な面でも症状の面でも程度には濃淡、連続性(スペクトラム)があることから、これらを包括して自閉症スペクトラム障害という概念が生まれました。高機能自閉症という表現に対して、一般的にはカナー型自閉症を単に自閉症と呼ぶことが多いようですが、他方では自閉症スペクトラム障害という概念もあり、自閉症という言葉が具体的に何を指しているのか、とても分かりにくくなっています。
ASD の主な症状と特徴
- グループでの業務・活動が苦手。
- やり取りがうまくかみ合わない。
- 伝えたいことを言葉にまとめることが難しい。
- 人の話に関心を持てない。
- 自己流で物事を進めたがる。
興味や関心が狭い範囲に限られやすく、独特の行動や振る舞い、こだわりが見られることもあります。
また、感覚が人よりもとても敏感なことがあり、逆にほとんど感じない部分がある人もいます。
②注意欠如・多動性障害、欠陥多動性障害
(ADHD:Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder)
うっかり間違いが多かったりじっとしていられないなど、いわゆる「不注意、多動・衝動型」といった特徴・症状が表れている障害です。
ADHDの方は幼少期から失敗経験が多く、人により自分に自信が持てず、自分を否定的にとらえてしまう方がいます。
場合によっては「不安」「うつ」などの二次障害を発症される方もいます。
ADHD の主な特徴
- 細かい注意を払うことができない。
- 注意を持続しつづけることが難しい。
- 忘れる・抜け漏れることがある。
- 順序立てて課題を進めることが難しい。
- ソワソワと手足を動かしたり、座っていてもモジモジ動いてしまう。
③学習障害(LD:Learning DisordersまたはLearning Disabilities)
全般的な知的発達に遅れはないのに、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するなどの特定の能力を学んだり、行ったりすることに著しい困難を示すさまざまな状態をいいます。
単に国語や数学が苦手ということではなく、「認知能力」や「聞いたことや見たものを処理する能力」に凹凸があり、結果として読み、書き、計算が苦手として表れている障害です。
幼少期には障害のあることがわからず、年齢を重ねて求められる水準が高度化するにしたがって症状が目立ち始めて、その時になってはじめて障害があることがわかったというケースもあります。
LD / SLD の主な特徴
- 文字や単語、文章を読むときに正確でなかったり速度が遅かったりする。
- 読んで意味を理解することが難しい。
- 発音が正確ではない。
- 文字や文章を書くことが難しい。
- 数の概念、数値、計算を学ぶことが難しい。
④知的障害
発達期(幼少期から青年期)に生じ、読み書きや数学、論理的思考、知識や問題解決といった概念的領域、対人コミュニケーションや社会的判断、自己制御などの社会的領域、金銭管理や行動の管理などの実用的領域という、3つの領域における知的機能と適応機能の双方に明らかな制約が見られることで特徴づけられる障害です(DSM-5, 2014)。
⑤発達性協調運動障害(DCD)
不器用さや身のこなしの不自然さが見られる障害です。
DCD の主な特徴
- 身体を動かすことが苦手。特に野球やサッカー、ゴルフなど球技は嫌い。
- 身体の動きがカクカクしている。ロボットのようだと指摘されることがある。
- 手先が不器用で細かな作業が苦手だ。
発達障害の症状
・忘れ物やミスが多い
・約束を守ることが苦手
・すぐカッとなってしまう
・人の気持ちを汲むことができない
・対人コミュニケーション能力の低下
・問題解決能力の低下
・臨機応変さの低下
・想像力や気を利かせる能力の低下
など
a,社会相互性の障害
空気が読めない、人の気持ちが分からないというものです。周囲の人はその特性に対して「あいつは空気が読めないやつだ」「話が通じない」と言われることも多いと思われます。場違いな発言をして浮いてしまうこともここに含まれます。
b,コミュニケーションの障害
a,とオーバーラップするところもありますが、相手の話している内容がよくわからない、一方的に話し続けるなど会話のキャッチボールが成立しないなどのことです。女性で会話の輪に入れないなどもここに含まれますが、その場合は社交不安症などの他の疾患が背景にある場合が多いです。
c,こだわり・常同性
「反復的な行動パターンや限局された興味・関心をもつこと」
順序にこだわったり、特定のものの収集癖があったり、同じ道順で会社に行かないと落ち着かなかったり、趣味に没頭したり、色や形にこだわったりなどの症状のことです。強迫症状との違いが難しいこともあります。
d,感覚過敏
音、光、臭、味、触覚などに敏感なこと。
また、感覚過敏とは逆の感覚である、鈍感な「感覚鈍麻」も多くみられるようです。特に自分が疲れているかがわからない、痛いとわからないといった身体感覚鈍麻が多くみられます。さまざまな感覚過敏と鈍麻が同居することもあります。
e,多動・衝動
動いていないと落ち着かない方や、衝動買いの方、会話で人の話にかぶせていくのも衝動性に当たります。これらの症状は身体エネルギーの強さに比例していると思われます。
f,不注意
仕事上でよくミスをする、鍵、スマホをよく家に忘れる、料理で火を消し忘れて鍋を焦がすなどです。この症状が強い場合には2次障害として確認強迫が多くなる傾向です。
j,遂行機能の障害
遂行機能は実行機能ともいわれ、物事を計画し、順序立てて実行する能力のことです。片づけが苦手や料理の段取りが悪い、仕事の計画が立てられないなどの日常生活に大きな影響を与える症状です。
h,タイムスリップ現象
突然、過去のことを思い出しその世界に没入してしまう体験のことです。発達障害の方はちょっとしたことでもトラウマになりやすく、特に怒られた、いじめられたなどの外傷体験を思い出すフラッシュバック現象に近い概念です。
i,中枢性統合能力の障害
中枢性統合能力とは全体を見渡して物事を理解する能力のことです。物事に対して独自の解釈をしがちになり、周囲から浮いてしまいがちになります。
j,学習障害
読み、書き、計算などが不得手またはできないといったものです。
引用: