認知機能障害とは
6か月以上の強い倦怠感や強い疲労感がつづき、物事を判断する認知機能が低下する。(記憶、思考、理解、計算、学習、言語、判断などの知的能力の低下)
日常生活の中で私たちは、特に意識せずにこの機能を発揮しています。そのため、この機能が障害されると、日常生活・社会活動全般に困難をもたらします。
- 症状の重症度とは関係がない
- 定型抗精神病薬による影響を受けない。しかし新しい非定型抗精神病薬による改善の効果は期待される
- やる気や意欲の低下とは関連がない
- 知的機能の低下によるものではない
特徴
①判断力低下
私たちは、日常の何気ない行為であっても、状況を総合的に判断して、選択し、実施するということをしています。しかし、認知機能障害が出てくると物事の優先順位をつけて、やるべきことを判断したり、計画を立てて行動をすることができなくなります。
②注意・集中力低下
認知機能障害は、目の前の仕事や勉強に集中したり、考えをまとめたりすることができなくなってしまいます。
また、対人関係でもコミュニケーションがうまくいかず、トラブルの原因となってしまうこともあります。
③記憶力低下
記憶力の低下がおこると、物事を覚える、ということが出来なくなり、何度も何度も同じところでつまずいたり、なかなか1人で物事をスムーズに出来る、なれる、ということが出来なくなってしまいます。どんな物事を覚えるのに時間がかかるようになります。
④比喩といった抽象的な表現が苦手
理解し、文の前後やその場の状況をふまえて判断することが難しくなります。対人関係にも影響が出てきます。
⑤選択的注意の低下
たとえば会話中に、周囲の動きや物音などにとらわれて、落ち着きがなくなるなどの行動がみられたり、周囲のさまざまな情報や刺激に対して、必要なものだけに注意を集中することができません。
⑥比較照合の低下
さまざまな情報の類似点と相違点を区別して物事をグループに分けて概念化する機能が低下し、適切に照合することができません。
たとえば、手順よく料理ができないなどの不具合が生じたり、衣類をタンスにしまうといった整理整頓ができないなど、細かなことにこだわって全体を把握できなかったり、言葉に隠された意味や比喩などを理解することができないなどがおこります。過去の記憶と比較して判断できなくなります。