(なお、脳の病気が原因の頭痛、二次性頭痛は改善しません。)
頭痛とは
日本人の3人に1人は、慢性頭痛に悩んでいると言われており、頭痛は、だれでも経験をするありふれた症状です。約4,000万人が慢性の頭痛もちと推定されています。
頭痛には、さまざまなパターンが存在します。性別や年代でかかりやすい頭痛に違いがあり、女性特有のものや子供がかかりやすいもの、高齢者に多いものなどがあります。
頭痛の種類
一次性頭痛(片頭痛・緊張性頭・群発頭痛)
それぞれの特徴や対処法のご紹介です。
a,片頭痛
左右どちらか、もしくは両側のこめかみがズキンズキンと脈打つような頭痛が、発作性、反復性に起こり、数時間から数日間続きます。頭痛とともに吐き気、嘔吐を伴うことがあり、光や音に過敏になります。前兆の前に、抑うつ、イライラ、情緒不安定、食欲不振などの予兆がみられることもあります。男性よりも女性に多くみられ、緊張型頭痛より少ないですが、患者数は全国で約840万人と推定されています。
何らかの理由で頭部の血管と神経が炎症を起こし、脳の血管が急激に拡張して神経を刺激して起きるのが「片頭痛」です。 この炎症には誘因があり、「睡眠不足」「肩、首の凝り」「旅行・買い物」「過労」「目の疲れ」「緊張」「睡眠過多」あげられます。
片頭痛の有病率
日本人全体での片頭痛の有病率は8.4%。
全年齢層で男性は3.6%、女性は男性の3倍以上の12.9%で、女性に多くみられる。特に20〜40代の女性に多い。
世界各国における有病率はさまざまです。中国3.0%、マレーシア9.0%、台湾9.1%、フランス12.1%、米国13.0%、スウェーデン13.2%、ドイツ27.5%、タイ29.1%など
片頭痛の特徴
- 頭痛に加えて、首や肩のこりを感じる
- 20~50代の女性がかかりやすく、30歳までに発症することが多い
- 月に1~3回程度の発症
- 4時間~3日間ほど痛みが続く
- 遺伝しやすい
- 痛みは片側のこめかみを中心に起こり、ひどくなると頭全体に広がる
- 脈を打つようにズキンズキンと痛む
- 頭を振ったり、身体を動かしたりすると痛みが増す
- 痛みとともにめまいや吐き気を感じたり、嘔吐することもある
など
b,緊張型頭痛
頭の周り、肩や首の筋肉が緊張しておこる頭痛です。
重苦しく頭を締め付けられる感じが数日程度の痛みが続きます。筋肉の緊張で血流が悪くなった結果、老廃物がたまり、その周囲の神経が刺激されて起きる痛みです。
緊張型頭痛はもっとも多い頭痛のタイプであり、日本人は肩こりに悩む方が多いため、緊張型頭痛が起こりやすいといわれています。また、筋肉の緊張ではなく、うつ病など心の病気が原因の場合もあります。
緊張型頭痛の特徴
- じわじわとした痛みが後頭部から首筋の両側にかけて感じる
- 鉄の輪っかを頭にきつくはめられているような感じがする
- 頭に重石をのせられているような感じがする
- 頭痛だけでなく、首や肩のこりを感じる
- ふと気づいた時に痛み出す
- いつまでも痛みが引かない
- 首を回す際にめまいがする
- 長時間、同じ姿勢での作業を行う習慣がある
など
c,群発頭痛
片目辺りや片目の奥に起こるもので、我慢できないほどの強い痛みが走るのが特徴です。
2年に1回または3年ごと1回などに期間は特定の期間起こり、一度起こるとしばらくの間(1ヶ月~2ヶ月間)毎日続きます。頭痛が毎日起こる時期(群発期)以外には頭痛は起こりません。
群発頭痛は男性の発症が多い傾向があります。認知度が低い頭痛ですが、痛みのレベルが他の頭痛とは段違いで、日常生活に大きな支障があります。
群発頭痛の特徴
- 男性におこりやすい
- 毎回同じ場所で片側のみに痛みが出る
- 目の奥がえぐられるような痛み
- じっとしていられないような激しい痛み
- 10分~4時間ほど痛みが続く
- 1~2カ月間、痛みが出続ける
- 決まった時間に症状が現れることが多い
- 目が充血したり、涙が出る
など