首こり(頸椎の後ろ側)とは
頸椎の後ろ側のこり、または、頚性神経筋症候群。
ヒト・イヌ・ニワトリ・カメ・カエル・フナなどの脊椎動物とは、体に背骨をもっている動物のことをさし、背骨のことを脊椎といいます。背骨は1本の骨ではなく、椎骨(ついこつ)とよばれるブロックの形をした骨が積み重なってできています。人間の脊椎を構成する椎骨は約30個。頭に近いほうから、頸椎(けいつい)7個、胸椎(きょうつい)12個、腰椎(ようつい)5個、仙椎(せんつい)、尾椎(びつい)です。そして、この上にある約6キログラムの頭部を、頸椎をはじめとする椎骨と頸部の筋肉が支えています。
頸椎の後ろ側のこりとは
この頭部を支えている骨の後ろ側の筋肉がこり固まることを意味します。それに伴い、頭痛、緊張、痛みなど様々な症状が発症する。
頚性神経筋症候群(CNMS)とは
頭痛やめまいなどの不定愁訴が慢性的に続く、首の後ろにある筋肉の異常によって引き起こされる病気です。慢性疲労症候群、むち打ち症、めまい、頭痛、うつ状態、パニック症候群、ストレス症候群、自律神経失調症、更年期障害の60%が該当する疾患群で、複数の疾患を合併している場合が殆どです。頭痛や微熱、体がだるい、やる気が出ないなどの不定愁訴にも似た症状が多いために診断されるまでに時間がかかり、複数の病院で受診を繰り返すかたも多いです。
症状
- 慢性的な眼精疲労
- 寝ても疲れがとれない
- 疲れやすい、全身に倦怠感がある
- 不眠、または夜、寝つきが悪い。途中で目覚める
- 吐き気がある
- やる気が出ない
- 体がだるい、だるくて横になりたくなる
- 強い肩こりや肩が張る
- 腰の痛みや腰の張り
- めまいやふらつきがある
- 頭がのぼせる
- 血圧が不安定
- 微熱がつづく
- 気温に関係なくよく汗をかく
- 動悸や息切れがする
- 目が見えにくい、視界がぼやける
- 目の奥が痛い
- 集中力の低下
- 噛みしめがある
- 頭が痛い、頭が重い
- 首が痛い、首がこる
- 気分が落ち込むことが多い
- イライラすることが多い
- 根気が出ず仕事に影響が出る、日常生活に影響が出る
- 手に力が入って抜けない
「頸椎の後ろ側のこり」「頚性神経筋症候群」のどちらも
「ストレスを減らす」や「リラックスする」という方法も1つの改善策ではありますが、軽度な症状を除き、それだけで辛い症状が改善されることは少ないのが現状です。原因不明にも関わらず日常生活に支障をきたすほど辛い症候群のことをいいます。
症状は慢性的で、首の痛みや重さ、頭痛、めまい、吐き気や食欲不振などの胃腸障害、頸肩こり、自律神経失調症状(慢性疲労感、動悸、微熱、体がだるい、やる気が出ない、不眠、うつ状態)など多岐にわたる症状を見てもわかる通り、一般内科、循環器内科、消化器内科、耳鼻科、眼科をはじめ、様々な診療科目の症状があります。診療科を横断して症状を認めることが多いのが特徴です。
各臓器の専門の医師にかかっても、検査の結果には異常が見つからず、症状を和らげるために薬を処方され、薬をやめると症状が再発するという経験をお持ちの方、薬を処方されても全然症状が改善しなかった方、「ストレスが原因」という診断を受けた方もいらっしゃるのではないでしょうか。