音ストレスとは
小さな音から大きな音まで、あらゆる音に「極度の疲れ」と「身体症状」を伴う状態を指します。
音ストレスの症状は、聴覚過敏(感覚過敏)症状と似ていますが、聴覚の過敏と共に、さらに身体症状や身体過敏の症状が伴います。
聴覚過敏:特定の音に過剰に反応したり、多くの人にとって気にならないような音が、大きく響き耐えられないほどつらく感じられます。ショッピングモールなどでは、人の話し声、カートのきしむ音、エスカレーターの動く音、音楽、館内放送など、様々な音の洪水で極端に疲労して買い物に行けないなどの症状がでることがあります。
また周囲の雑音から、1つの音を聞き取るのが難しくて、パーティーや宴会などで目の前にいる人との会話に集中できない、掃除機の音や雑踏の中など、周りの人が気にしないような生活音が頭に響いてつらいなど、日常生活に支障をきたすこともあります。
この症状は病気やストレスなどによって後天的に起こる症状でもあります。
しかし、周囲には理解されにくい症状となり、当事者にとってはとてもつらい状態がつづきますが、周囲からは「我慢できること」「そのうち慣れること」「わがまま」などと責められてしまうことも多いです。
身体症状:音の不快さで、体が硬直、思考が停止をしたり、混乱とパニックをおこしたり、発汗や発熱、身体疲労や病気を併発する症状がでます。イライラしたり、身体がこわばったり、頭痛や吐き気を伴い、ぐったりと疲れて寝込んでしまうなど、症状の種類や度合いは様々です。
「すこしの時間の外出」や「1日の外出」をするだけで、何日も何カ月もぐったりとしてしまったり、さまざまな身体の症状も伴い、どうする事も出来ないという状態になる方もいらっしゃいます。
ひどい場合は、家にいることさえもツラく、安静にしていても、寝ていてもツラいという状態になります。
「気の持ち方」や「慣れ」の問題ではありません。
ツラさや困難さが生じても、「みんな我慢している」「自分の我慢が足りないだけだ」と、自分を責めてしまうことも少なくありません。
そして、音に絡む殺傷事件は、日本ではしばしば発生するのに対して、西洋ではあまり聞かれないのだそうです。
症状
- 女性の声・男性の声・子供の声などの「声」が頭に響く
- 電車やお店の「アナウンス」が響いて我慢できない
- 食器があたる音やお皿の音などの「あたる音」や「こすれる音」「触れ合う音」が響き、つらい
- 常に耳や体に音が響く
- 音が響き、不安やイライラなどつきまとい、つらくて眠れない
- 耳をつんざくような音、耳を覆いたくなるほど音、刺さるような音、がツラすぎる
- 音が響くあまり、耳が痛い、頭痛、気持ち悪さ、吐き気、めまいなどの身体症状でる
- 小さな音でもうるさく聞こえる。風の音もうるさいなど
- 近くの騒音うるさい、遠くの騒音もうるさい、振動が伝わってくる
- 静かなときに聞こえる音がどうしても気になってしまう
- 不快な音を聴かないようにすることが困難
- 「ぶつかる音」「閉める音」「足音」「かすかな音」もツラい
- 継続する人の咳
- 精神過敏症状が伴う(神経過敏、不安感、焦燥感、恐怖感、眠りが浅いなど)
- 頭部の血流低下症状が伴う(めまい、ふらつき、頭がボーっとする、頭痛、光が眩しい、日中の眠気など)
- 寝たきりが続く
- 日常生活がおくれない
- 座っていられない
- 立っていられない
- 寝ていられない
など
音の強弱は関係なく、音が鳴っていると、気にしないということができない、聞き流すことができない、という症状がつねに続きます。作業を中断せずに我慢できる場合から、横にならないと耐えられない、または横になっても耐えられない、こころの症状や身体の症状、状況の症状などが重なって出る場合もあり、症状の程度も様々です。