「みなさんは黒い文字や数字に色が見えたりしますか?」

「共感覚」という能力は、有名人の方にも沢山持っている方がいらっしゃいます。

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト、アルチュール・ランボー(詩人)・ウラジーミル・ナボコフ(作家)、ジェイムズ・フランシーズ、ビリー・アイリッシュ・レオナルド・ダ・ヴィンチ・マイルス・デイヴィス(音楽家)・リチャード・P・ファインマン(物理学者)・エドヴァルド・ムンク・アルチュール・フランツ・リスト(作曲家・ピアニスト・指揮者)・ニコライ・リムスキー=コルサコフ(作曲家)・スティーヴィー・ワンダー・宮沢賢治・ビリー・ジョエル・田中裕二(お笑いタレント)・長田典子塚地武雅(お笑いタレント)中野裕太(タレント)・上野星矢・水口哲也・高垣彩陽・三井ゆきこ(作詞家・作曲家)・佐々木久美(アイドル・日向坂46)・・・

 

※この能力は身体に痛みや異常がでるということは無いのが特徴です。

赤ちゃんの脳は、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚等の感覚が、まだ、分化されていないため、生後3ヶ月位までは、誰もが「共感覚」を持っているという説があります。大部分の人は、脳の成長とともに、各感覚野をつなぐ経路が遮断されて、共感覚を失います。そして、一部の人だけが、何らかの理由で、経路が遮断されずに、共感覚を持ち続けるという説。

 

または、実は私たちの誰もが持っている、正常な脳機能だという意見もあります。ほとんどの人の意識には上がらないので、認識されていないだけという説。

 

文字や色に限らず、においや音や形など、何の感覚から何の感覚が引き起こされるかというパターンは個人によってさまざまで、これまでに150種類以上の共感覚のパターンを発見。実際、共感覚自体は200年以上前から知られていて19世紀の科学者フランシス・ガルトンにより遺伝する事も証明されていますし、インドの神経外科医ヴィラヤヌル・ラマチャンドラン氏によれば、200人に一人の割合で存在するといわれていますが、10万人に1人や23人に1人という説も。

 

 

共感覚の発生原因

共感覚が何故起こるのかについては、まだ解明されていません。

共感覚は、個人の知覚現象であるため、原因の解明は非常に困難とされています。しかし、いくつかの仮説があります。

(1)新生児の分化されていない知覚が、そのまま残っている
(2)環境によって、共感覚を起こす「神経回路」が形成された
(3)脳の別の知覚をする部位間で、混線が起こっている
(4)幼児期に、玩具などの文字の色を記憶して、無意識にイメージとして定着させた
(5)遺伝的なもの

などの説があります。

1つの原因メカニズムで、すべての共感覚を説明することは無理があって、共感覚の種類によっても、異なった発生原因があるだろうと考えられています。共感覚は、時には、精神的な病気、あるいは、神経障害だと見なされることもありますが、多くの共感覚者は、それをハンディキャップとは感じていないばかりか、むしろ快適で、失いたくないものと感じていると言います。

非科学的な事なので、真剣に研究はされなかったそうで、詳しいメカニズムについては、いまだ研究途上。

 

共感覚診断・テスト

 

1-1 色字共感覚(文字→色)のテスト

まずは、次の黒い文字、数字を見てください。

文字、数字に色が付いて見えたら、あなたは「色字共感覚」の持ち主の可能性が高いです。

 

 

1-2 色聴共感覚(聴覚→視覚)のテスト

次に、音楽や音を聞いて、色を感じる「色聴」の共感覚を調べてみましょう。

クラシックでも、ロックでも、ポピュラーミュージックでも良いので、何か音楽をかけて、聴いてみてください。音楽から、何か色のイメージが見えますか?

「音の高さに色を感じる」「和音から色を感じる」「楽器の音に色を感じる」など、共感覚者は、意識して色を選ばなくても、自然に色が浮かんできます。どの色をイメージするかは、ある程度、傾向があるとの調査結果もありますが、個人差が大きく、明確な正解はありません。

 

 

1-3 音視共感覚(視覚→聴覚)のテスト

次の動画を見て、音が聞こえたら、あなたは音視共感覚(視覚→聴覚)の持ち主かもしれません。

 

1-4 その他の共感覚のテスト

次のような感覚を経験したことがあれば、あなたは、共感覚者の可能性が高いです。

(1)味に色を感じる(例:ケーキの味に黄色を感じる)
(2)匂いに色を感じる(例:桃の香りに白色を感じる)
(3)感情に色を感じる(例:楽しい感情に金色を感じる)
(4)人に色を感じる(例:父親を見たとき、思い浮かべたときに緑色を感じる)
(5)感触に色を感じる(例:つるつるした木を触ると、赤を感じる)
(6)痛みに色を感じる(例:右頬をつねると、銀色が見える)
(7)温度に色を感じる(例:シャワーで冷たい水に触れると紫色が見える)
(8)曜日に色が見える(例:火曜日という概念に、濃い黄色が見える)
(9)月に色が見える(例:4月という概念に、薄い灰色が見える)
(10)音に匂いを感じる(例:風鈴の音を聞いたとき、線香の匂いがする)
(11)音に味を感じる(例:車のクラクションの音を聞くと、苦味を感じる)
(12)音に触感を感じる(例:セミの鳴き声を聞くと首筋がかゆくなる)
(13)景色から音が聞こえる(例:雪景色を見ると、音が聞こえてくる)
(14)景色から匂いを感じる(例:海を見ると、ミントの香りを感じる)
(15)景色から味を感じる(例:ある絵を見ると、コーヒーの味を感じる)

 

 

2 その他の共感覚

その他にも、

(3)音が光として見える「光共感覚」
(4)色を見ると音を感じる「音視共感覚」
(5)曜日に色を感じる
(6)時間に色を感じる
(7)音を触覚で感じる
(8)音から形やテクスチャが見える
(9)色を見ると味を感じる
(10)味に形を感じる
(11)文字を味覚で感じる
(12)匂いや痛みに色を感じる
(13)数字の並びやカレンダーに空間配置を感じる
(14)人の性格・姿に色が見える
(15)人が触れたり触れられたりしているのを見ただけで触覚を覚える「ミラータッチ共感覚」
(16)オーガズムに色が見える

などさまざまな共感覚の種類があります。中でも、色に関係したものが90%以上と言われています。

 

 

 

共感覚・シネスシージア

 共感覚の語源 はドイツ語でSynästhesie、イギリス英語ではsynaesthesia、アメリカ英語ではsynesthesiaと表記され、ギリシア語の 「統合」(syn)と「感覚」(aisthesis)からなる複合語 で、一つの感覚刺激(誘因刺激,inducer)から,通常の感覚に加えて別の感覚(併発反応,concurrent)が無意識に引き起こされる現象である。

 

多様なタイプがある。

感覚は「五感」という言葉で示されているように、視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚のそれぞれが独立したものとして捉えられている。共感覚とは、例えば音楽を聴くという刺激に対して聴覚だけではなく、その一つ一つの感覚が独立せずに他の感覚も同時に生じてしまう現象である。

文字や数字に色を感じる「色字(しきじ)共感覚」、音を聴くと色が見える「色聴(しきちょう)共感覚」などがよく知られている。最も多いとされるのは、曜日や月から色を感じる「カレンダー-色共感覚」で、他にも味から形、匂いから色、痛みから色、数列やカレンダーから空間配置を感じるものなどがある。

例えば、‘a’という文字は 「誘因」(inducer) であり、これに伴って赤い色が見えればそれが 「併発反応」(concurrent) 

inducer として多いのは言語(文字,数字,単語など)であり、concurrent と
して多いのは視覚的反応である。とりわけ concurrentに「色」が喚起される共感覚が圧倒的に多いことは興味深い。また共感覚の結びつきは一般的に一方向であると言われているが,それでも色から音の「音視(おんし)共感覚」(グラデーションを見るとシャーンと鳴る等)も色聴の 1/10 以下の規模ではあるが確認されている。

共感覚者は物心ついた時から共感覚を持ち、その感覚はすべての人が持っていると感じるくらい自然であるといわれており、幼少期にふとしたきっかけでその感覚について語った時に、はじめて自分は特殊であるということに気づくケースが多い。

 

 

通様相性

各感覚器官(目、鼻、耳、舌、皮膚など)から感じとれる感覚を感覚様相と呼び、視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚はそれぞれ一つ一つの感覚様相である。ところがある種の感覚的特性が感覚様相を超えて共通に認められる場合がある。これを通様相性という。例えば大きい-小さいは視覚だけでなく、「声が大きい」など聴覚や触覚でも感知されるし、明るい-暗いも視覚だけではなく聴覚でも感知される。
「黄色い声」「甘い囁き」などは聴覚と色の通様相性の言語的な表現であるといえる。

図形(図1)

Köhler(1929)は、図形(図1)を見てどちらが「ブーバ」でどちらが「キキ」と思うかと質問すると95 ~ 98%の人が丸みのある図形を「ブーバ」、尖った図形を「キキ」を選ぶことを報告した。これは図形(視覚)と単語(聴覚)に共通する属性を、複数の感覚にまたがって認知することを示唆している。これをRamachandran & Hubbard(2001)が「ブーバ・キキ効果」と呼んだ。この実験は英語圏以外の文化圏でも実施され、同じ効果が得られることがわかっている。
このような感覚は共感覚と混同されがちであるが、共感覚とは区別する。

 

薬物と精神疾患

共感覚の様態は各感覚にまたがるため、しばしば薬物の影響や精神疾患と間違われることがある。
Harrison(2001)は、幻覚剤を使用したことを認めた者のうち、45.9%に共感覚症状があったと報告した。それによるともっとも多かったのは「色が視える」ものだった。偏頭痛やてんかんなどでも、稀に音に反応して光が視えるケースがある。また統合失調症の症状のひとつとして、共感覚に似た経験をする傾向にあるが、健康状態、精神状態などの検査によりほとんどのケースは区別される。

 

 

 

共感覚の判断基準

共感覚は疾患ではないとの理由からDSMやICDに掲載されておらず、またその様態は共感覚者によって多種多様であるため、定義することが非常に困難とされている。

共感覚は主観的な感覚により判断が難しいとされているが、イギリスの神経学者であり、共感覚研究の先駆者であるCytowicは数々の研究と事例の中から、 すべての共感覚に共通する以下の5つの「診断的特徴」を示している (Cytowic & Eagleman, 2009)

 

 ① 自動的かつ不随意的である。  共感覚を意識的にコントロールできるものではなく、勝手に生じるものだということである。またトレーニングや記憶術で共感覚は身に付ける方法はないとされている。

 ② 空間的なつながりや広がりがある。  共感覚は「見ること」とも「想像すること」とも違い、空間的な位置の知覚である。文字そのものに色がついたり手に実際の手触りを感じたりするなど、身体の中だけでなく外で知覚されると主張されている。

 ③ 一貫性があり、単純で具体的である。 また、一方向的である。個人の共感覚は時が経過してもおおむね変わらない。大多数の共感覚者は「共感覚は物心ついた時からあり、その感覚は変わらない。」と話す。
そしてその感覚は誰もが持っていると思うほど、本人にとっては自然なものである。共感覚の持つ特性は単純なものであるが、その表現は非常に具体的である。またその感覚は一方向的であり、例えば色字共感覚者の場合、数字を見ると色を想起するが、色を見ても数字を想起しない。そして、共感覚者よってその色はバラバラである。

 ④ 記憶と関係する。 共感覚と記憶は強く関わっていて、共感覚者は記憶を助ける手段として共感覚を使っている。(色せ円周率を覚えるなど)。時には、もとの記憶は忘れても共感覚は覚えているということもある。たとえば、ある人の名前が緑だったことは憶えていても、実際にはどんな名前だったかは忘れてしまうといったことが起こる。

 ⑤ 情動をともなう。 単に感覚が誘発されるだけではなく、好き/嫌いとか快/不快といった情動を伴うことこそが、共感覚の最大の特徴であると思われる。例えば、色字共感覚者が「この字はきれいな色だ」とか「こんな汚い色の数字はがまんができない」と言ったりする。特定の文字に「息が詰まりそうに辛い」と感じる人もいる。

 

共感覚の種類共感覚の種類については、アメリカの言語学者Day(2005)が自ら集めたデータと先行研究のデータを加え、合計572の事例を紹介している。

事例は35種類に分類されている。

それによると、もっとも多いとされている共感覚は数字、アルファベット、ひらがななどの 文字である書記素→色(書記素が刺激で与えられると色を知覚する。書記素から知覚へと一方向な知覚であるため、以降同様に表記する)で66.5% であり、次が時間単位→色22.8%であった。

音から色を知覚する 色聴と呼ばれるものは全体で52.5% を占めているが、この研究データでは細かく分類されており、楽音→色18.5%、一般的な音→色14.5%、音素→色9.9%、音符→色9.6%であった。その他匂い→色、味→色、音→味、痛み→色、パーソナリティ→色、触感→色、音→触感など多岐に及んだ。

色字、色聴のほかにも味覚や触覚を中心とした共感覚もみられる。

Cytowic & Eagleman(2009)によると、味→触感、匂い→触感、触感→音のほか、痛み→色、パーソナリティ→色、音→姿勢、音→温度などの少数派も確認されている。

Simner, Ward, Lanz, Jansari, Noonan, Glover, &Oakley(2005)の研究により、もっともよくみられる共感覚は曜日に色がついているタイプだということが明らかになったが、それ以外の部分では上述のデータは信頼できるとしている(Cytowic &Eagleman, 2009)。その他に、順序性のある数字やカレンダーの日にちがねじれたり並んだり見えるナンバーフォームがある。

またDixon, Smilek, & Merikle(2004)は自分の外の空間に色が存在するという色字共感覚者を投射型(projectors)、自分の心の目、あるいは頭の中に色が視えるという色字共感覚者を連想型(associators)と分類した。

 

 

 

色字共感覚

色字とは、書記素と呼ばれるアルファベットやひらがな、カタカナ、ハングル文字やアラビア文字など文字の形、または数字に色を知覚する共感覚である。書記素についている色は共感覚者ごとに異なり、すべてが同じパターンの配色であることは稀である。しかし、数字の0, 1, 2とアルファベットのO, I, Aは、赤、白、黒のいずれかとペアになる傾向があると報告されている(Simner et al., 2005)。

 

色字共感覚者の中でもすべての書記素に色がついているタイプと、文字だけ、あるいは数字だけであったり、一部の書記素だけ色がついていないタイプが存在する。また、色字共感覚者の知らない外国語の文字でも色がついている人もいる。
色字共感覚者の書記素から色を知覚する一例を挙げると、「2011」という数字を見る時、「赤、黒、白、白」という風に記憶し、次に「2011」を想起する時に「赤、黒、白、白だったから2011だ」という手順になる。

 

 

 

色聴共感覚

色聴は楽音、音調、楽曲、音符、一般的な音、音素のどれか、もしくは複数に色や形を知覚する共感覚である。音についている色や形は色字共感覚者と同じく共感覚者ごとに異なる。色聴は音楽から生活音までと音源の幅が広いため、共感覚のタイプも多様である。また絶対音感との相関は現時点では確認されていない。

Inducer にはこれまで曲調、音色、調、音高(ピッチやトーン)、和声、リズム、声 などが挙げられている。

 

例えば音色について、

高調波成分が増えると色の彩度が上がり明度が下がる、とか、音高について、音高が上がると色の明度が上がるといった傾向がある。しかしこれらのルールについては色字共感覚と同様、共感覚者のみならず非共感覚者にも類似した傾向が見られる 。

こうしたことから、共感覚に共通する神経基盤の一部は、通常の視覚と聴覚のマルチモダリティで説明できるのではないかという議論もある。

ただし、ハ長調は白、ニ短調は黄色というような、調に固有な色が見える共感覚では、ピッチが数ヘルツ上下しようとも色には影響せず、調ごとに固有な色が見える。このように同じ音楽の刺激であっても、ピッチの影響を受けるものもあれば、絶対音感のような高次な音楽認知と関係する共感覚もあり、これらは別のメカニズムで発生しているのではないかと考えられている。

こうした調(ハ長調やヘ短調)に固有の色を感じる色聴共感覚者が、目を瞑って音楽を聴いているときの脳活動を計ると、聴覚野の活動だけでなく、本来活動することのない視覚野の色知覚野(V4v エリア)の活動が捉えられる(図 3)。

ただし調性に色を感じる共感覚の場合は、絶対音感を持つ場合に限定されるため、脳活動が共感覚によるものなのか絶対音感によるものなのかの切り分けの問題等があ、まだ十分な議論は行われていない。

また共感覚と芸術には密接な関係があり、芸術から見た色聴共感覚の研究が多く行われている.映像作品における音楽と映像の関係を分析した事例では、ジブリやディズニーのアニメーションにおいて、曲調が転調するタイミングで映像の色彩が強調され、その調と色の関係において共感覚のルールが見られることを示している(図 4)。

このこともまた、映像制作過程において共感覚的なクロスモーダル関係が関与している可能性を示唆している。

 

 

空間的配列共感覚

空間的配列共感覚(spatial-sequence synesthesia)をもつ人は、視野あるいは心の眼の中に、日付や時間、過去に起こった出来事などを驚くべき正確さで、空間内に目に見える特定の形で刻んでおくことができる。過去のみならず、未来のかなり先の日付や時間にまで言及できるくらい非常に詳しく時間を視覚化する力を使える人もいる。

例えば、この能力を持った人は、2034 1130 日は何曜日か、ほとんど即座に答えることができる(答えは木曜日である)もっとよく報告・研究されている空間的配列共感覚としては、平均的な非共感覚者をしのぐ正確さと生々しさを伴って誕生日のような日付や旅行、パーティなどの出来事の経験を覚えておくことができるというものがある。

 

過去と現在の時間両方についての事例が多く報告されているが、こうした空間的配列共感覚は、ある人が線、円、楕円などのさまざまな形を用いて多様な空間情報を覚えたり記憶の中から取り出したりするにあたり、空間表象をいかに活用しているかということによって特徴づけられると言ったほうがより正確であるということは述べておかねばならないだろう。

例えば、空間的配列共感覚を持つ人はしばしばある年の中の月や週の中の曜日を特定の形や形の内部・上部にある位置として見ており、それぞれの構成要素は一連の空間的配置に一致するよう並べられている

 

空間的配列共感覚を持つ人は、暦年を楕円、三角形、円その他のある形に添って配置されたひとまとまりのユニットとして見ていると言えるかもしれない。

興味深いことに、このユニットは均等には配置されていないことも多くある構成要素、例えば暦年の場合における土曜日と日曜日などが他のものより大きく見えたりしている場合がある。デイヴィッド・イーグルマンによると、空間的配列共感覚は配列の過剰学習に関係があるかもしれないということだ。

つまり、一見無意識に記憶の中から取り出せるくらい、このような空間的配列を経験し学習してしまったということである。その配列が週の中の曜日や年の中の月といったものになっているのだ。

 

ナンバーフォーム

ナンバーフォームはシークエンスとも呼ばれる数字列形であり、順序性のある一連の配列である。この感覚を持つ共感覚者は、カレンダーに月日やアルファベット、人の年齢や身長、体重、金額に関する数字、気温や時間などが空間的に色や質感をともなって配列しているように感じる。整数に関するナンバーフォームの例である。
ナンバーフォームでよくみられるタイプは曜日の列形で、整数、10年ごとの年代と続いている(Cytowic & Eagleman, 2009)。

 

 

 

ミラータッチ共感覚(触れていないのに触覚を感じること

 

ミラータッチ共感覚とは、目の前で他人が頭を撫でられるのを見て、実際には触れらていなくても自分も頭を撫でられているように感じます。別の人が対象者に触っているのを見て自分が触っているような感覚が生じたり、逆に直接触れられていないのに他人に触れられている感覚が生じたりする共感覚のこととです。

  • 体性感覚ミラーシステムの活性化が通常の敷居置を下回ると、ミラータッチ共感覚を持つ感覚のミラーリング理論。
  • 視覚と体性感覚システムが直接関係しているという、視覚および体性感覚系理論。
  • 触覚刺激と視覚刺激の両方の刺激を感じるとバイモーダル細胞が活性化するバイモーダル細胞理論。

ミラーニューロンの研究も実施され、ミラータッチ共感覚を持たない人は、模倣的な反応はほとんど活性化されないと同時に、ミラータッチ共感覚と共感の間には深い関係があるようです。ミラータッチ共感覚タイプの人は、ミラーシステムでより大きな活性化を持っているため、共感のレベルが高いことも注目されています。

 

 

共感覚のメカニズム

共感覚のメカニズムを説明する理論はいくつか報告されているが、残念ながらまだ現時点では十分に解明されていない。その中でRamachandran et al.(2001)は、通常生後3カ月までの乳児は異なる感覚の間に神経結合があり、3カ月経過するとこの結合経路が刈り込まれるが、刈り込みが十分に行われず、経路が残ると共感覚を持つようになるのではないかと推察している。
またCytowic & Eagleman(2009)は共感覚者の脳領域どうしのクロストーク(混線)が非共感覚者よりも多く、その活動性が通常はのぼらないはずの意識にのぼり、実際に体験するのではないかと推察している。

 

 

脳の活動

ずいぶん昔から広く知られてきた生物にとって脳は行動,感情,思考などの全てをつかさどる部分。大脳は大きく「前頭葉」「後頭葉」「頭頂葉」「側頭葉」の4つの部分に分けることができ、前頭葉は高次認知処理、後頭葉は視覚、頭頂葉は体性感覚、側頭葉は聴覚をつかさどる機能が存在する。このことを脳機能局在という。部分ごとに違う機能を担っているとう意味である。

しかし、共感覚は脳のなかの一部に局在化するものではないといわれています。

共感覚における脳の研究は、キセノン133を用いたSPECTiや、PETii、f-MRIiiiなどで画像診断できるようになり、さまざまな角度から行われている。色を知覚する共感覚は色覚に特化した視覚領域V4ivが活性化されるということが明らかになっている。通常は実際にある色を見たときにV4が活性化されるが、色字共感覚者は数字を見たときにもV4が活性化される(Nunn, Gregory, Brammer, Williams, Parslow, Morgan, Morris,Bullmore, Baron-Cohen, & Gray, 2002)。しかしV4だけが活性化されているわけではない。

Cytowic & Eagleman(2009)は共感覚がおこるには色字共感覚の場合、

①視覚皮質

②色に関与するV4

③空間感覚に関与する頭頂葉のニューロン群

④動きに関与するV5v

⑤注意に関与する視床と帯状回

⑥感情に関与する辺縁系、という構成要素が必要であるとしている。

 

 

遺伝

Galton(1883)が遺伝の可能性を指摘して以来、さまざまな研究がなされているが、まだまだ解明されていない部分が多い。Sarma,Tushe, Lee, Bray, Leal, & Eagleman(2009)の16番染色体と関係しているのではないかという説である。また一卵性双生児の片方に共感覚が現れ、もう片方には現れなかったケースにより、共感覚の継承は、遺伝子を保有していても必ずしも発現するとは限らない不完全浸透であるといわれているSimner et al.(2002)。

 

 

その他、オーナーの私の感覚

記載内容:形が異なるひらがなとカタカナとでは、読みが同じであれば(「あ」と「ア」など)同じ色に見えると訴える日本人共感覚者がほぼ100%である。このことから、「文字→色」の共感覚は、そのほとんどが、文字の形状に音声を対応させる抽象的能力が可能になる年齢以降に身に付いたものであるということができる。

私の感覚:「あ」と「ア」は色合いは似ているように思うが、明度や印象、感覚や形状は全く違うようにみえます。そして、今回引用させて頂いた内容の記事のように文字の形状に音声を対応させる抽象的能力が可能になる年齢以前の方がハッキリ見えていると思います。

 

記載内容:1音だけの音色でも感じることは人によってさまざまで、硬さや感情がその部分にあるというのだから驚きである。

私の感覚:1音でもやはり見える範囲や感情・感覚は沢山あり、音響で使うミキサーのように見えていたり、立体であったり、そこに感情があったり、温度や硬さなどを感じたりと本当に様々です。

 

記載内容:人の性格・姿に色が見える共感覚はオーラと同一視する向きがある

私の感覚:オーラとはまた違うように見えます。

 

記載内容:ミソフォニアは、特定の音によって否定的な経験(怒り、恐怖、憎しみ、嫌悪感)が引き起こされる神経障害である。

私の感覚:ADHDなどの障害もありますが、言い過ぎではないかと思います。動物は本来は多動ですし、あきらかに日常生活に支障が出る多動状態でしたらわかりますが、私のクライアント様は経営者の方ばかりです。日常の生活も普通に過ごしていらっしゃる方ばかりです。しかし、何らかの障害という診断を受けています。

様々な障害の診断が医者の問診のみで検査はないというのもおかしい話です。

そして、障害というと否定的なことに着目する記事が多いが、陽的な経験(楽しい、快感、明るい、高揚感)も引き起こされます。

 

ミラータッチ:エンパスと似ている感覚を感じる。

私の感覚:エンパスの感覚のようにも思いましたが、エンパスとはちがう感覚で感じていると私は思います。共感覚者はその人が触られている感覚を感じながら自分が触られて気持ちいいと感じる感覚になりますが、エンパスは「気持ちいい」という意識感覚にすぐなるのが特徴で内側の感覚が強く、共感覚は外の感覚が強いと思います。

 

 

引用

https://re-sta.jp/synesthesia-2663 

https://core.ac.uk/download/pdf/76205701.pdf 

https://ist.ksc.kwansei.ac.jp/~nagata/data/1905-nagata.pdf 

https://books.google.co.jp/books?id=t_efaAsvftgC&pg=PA4&lpg=PA4&dq=%E5%85%B1%E6%84%9F%E8%A6%9A+%E7%A8%AE%E9%A1%9E+%E8%A9%B3%E3%81%97%E3%81%84&source=bl&ots=hYNHLGZ8Ow&sig=ACfU3U1oRaY6rfrZICrCHnxUa8ISyTYUdQ&hl=ja&sa=X&ved=2ahUKEwjtoeiWt8jqAhVWUd4KHU-_DOIQ6AEwCXoECAoQAQ#v=onepage&q=%E5%85%B1%E6%84%9F%E8%A6%9A%20%E7%A8%AE%E9%A1%9E%20%E8%A9%B3%E3%81%97%E3%81%84&f=false 

https://www.researchgate.net/publication/324599526_gongganjuekarajianerumonogongganjuetoyanyuxide