はじめに：敏感な親にとっての子育ての難しさ

• 「子どもの小さな声でも、自分は深く傷ついてしまう」
• 「怒鳴られたり無視されたり…それを心の底まで受け止めてしまう」
• 「感情の揺れが大きくて、自分の心が持たない」

HSP、エンパス、逆エンパスと呼ばれる親御さんにとって、子どもの“攻撃性”や“拒絶感”は、ただの育児ストレスではなく、心身を深く揺さぶられる体験です。

この記事では、そんな“ただならぬ感覚疲労”に焦点をあて、あなたがどのように感じているか、どう守ればいいかを共感しながら掘り下げます。

 

1. HSP／エンパス／逆エンパスという敏感さとは？

■ HSP（Highly Sensitive Person）の親の特徴

• 子どもの微細な表情の変化や声のトーンを鋭敏に感じ取る
• 育児中の刺激（泣き声、騒音、不安定な環境）にすぐ消耗する
• 疲れが抜けにくく、常に緊張状態になっている

■ エンパスの親の特徴

• 子どもの感情をまるで自分のように吸い取ってしまう
• 子どもの不快や怒りが、身体や呼吸に瞬時に反映される
• 子どもの痛みやトラブルを直感で捉えてしまう

■ 逆エンパスの親の特徴

• 過剰に敏感な自分を守るために「感情を凍らせる」ことがある
• 子どもの攻撃性には「静かな無反応」で防御する傾向がある
• 他人には冷たい印象を与えるが、本質的な脆さがある

どれも、子供のありのままの反応や感情に「柔軟に対応することを難しくする特性」です。

 

2. 子供からの“攻撃”とは？どうして敏感な人にはつらいのか

■ 本当は構ってほしい、認めてほしい行動も

子どもの「叩く・かむ・叫ぶ・暴れる」は、ときにコミュニケーションの一部でもあります。

ただし、敏感な親はそれを「拒絶された」「壊された」と感じて、自分の感情と同化してしまうことが多いのです。

■ 親自身の境界線が曖昧になっている

「これは子どもの感情？私の感情？」という区別ができず、子どもの怒りや不安が自分のものになってしまう――それがつらさの本質です。

 

3. 日常的につらい具体的な体験例

A. 身体に現れるつらさ

• 慢性的な頭痛・目の奥の重さ
• 首・肩・背中の強い凝りと締め付け感
• 呼吸が浅くなり、胸の苦しさや動悸
• 睡眠の質低下、身体のだるさが取れない

B. 心に現れるつらさ

• 理由のわからない焦燥感・絶望感
• 自分の存在価値を疑う自己否定
• 子どもに対する怒りや苛立ちを抱え込む罪悪感
• 他者からの評価怠慢（「いい親でいるべき」）への圧力

C. 精神状態の異常感

• 子どもが寝た後にグッタリして、頭が真っ白になる
• 息子・娘の機嫌や感情に振り回される感覚
• 「どこまでが私の気持ち？どこからが子の気持ち？」と混乱

 

4. なぜどうしていいかわからなくなるのか？

■ 感情労働の負担が異常に重い

育児自体が24時間365日の感情労働ですが、敏感な親は、その感情の波を“自分で処理する”ことを余儀なくされます。

■ 助けを得にくい

子育て支援は一般的な疲れにフォーカスしますが、**「感情を吸い取られる辛さには対応していない」**ことが多いです。

そのため助けを求めにくく、孤独が深まります。

■ 子供との境界線構築が難しい

「これからは冷たい対応をしよう」と思っても、自分の中の混乱や罪悪感が邪魔をして、一貫した対応が取りにくいのです。

 

5. 生きづらさを少しでも軽減するためにできること

ステップ1：安全スペースの確保

• 信頼できる人に「今日は辛かった」と言える時間を作る
• 子どもが寝たあとに、音や光を遮断した“回復空間”を用意する

ステップ2：身体と心を繋ぎなおす

• ゆっくり深呼吸しながら、肩や首を丁寧にほぐす
• ゆるやかなストレッチ、湯船につかるなど血流改善のセルフケアを取り入れる

ステップ3：境界線・境界確認の習慣

• 感情を書き出す「日記ジャーナル」
• 「これは私の感情？子どもの感情？」と毎日確認するワーク

 

6. 中長期的に取り組みたいこと

■ 自分を守る習慣を作る

• スマホ・SNSから一定期間離れる
• 定期的に一人で過ごす“無音・無刺激の時間”を確保する

■ 安心できる人間関係を選ぶ

• SNSや実生活で、自分を否定しない／理解してくれる人とつながる
• HSP・エンパス対応のカウンセラーや支援団体にアクセスする

■ 自分を認める言葉を毎日取り入れる

• 「私は今よくやってる」
• 「感情を失わなかった自分を誉める」
• 「怒りや悲しみを感じていい」と自分に許可を出す習慣

 

7. 子どもとの関係の中に希望を作るために

• 子どもも感情コントロールが未熟なだけで、責めていい存在ではない
• 時間とともに、親に安心・安定感を感じられるようになる
• 親の境界線が安定すると、子どももその安定感を学ぶ

あなたの敏感さは、子どもを守る力にもなり得ます。

その敏感さを否定したままではなく、“自分を守りながら感受性を生かす親”になることが、本質的な解決につながります。

 

8. 最後に：あなたは「敏感すぎる」親だからこそ尊い

敏感すぎて、感じすぎて、常に揺れている親御さんへ。

その揺れやすさを欠点としてしまわず、**「誰よりも深く子どもを感じ取れる人」**として尊重してください。

そして、つらさを抱えながら頑張っているあなた自身に、

どうか「もっと優しさと休息」を与えてください。

 

もし、それでも…

毎日が格闘で、つらすぎる状況が続く、

なんで私だけに…

こんなにツラさがあるんだろう…

泣いている日々を過ごしている…

 

なぜこんなにもつらい日々が続くのか。

 

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HSP/HSC専門サロン　Momoco Academy    山崎ももこ