「原因不明の全身の痛みが続く」
「検査では異常が見つからないのに、体がつらい」
「日常生活すら困難なほどの慢性痛に苦しんでいる」
このような症状を抱える人の中に、「線維筋痛症(せんいきんつうしょう)」と診断される方が少なくありません。現代医学でもまだ原因がはっきり解明されていないこの病気には、“心”と“気”の状態が大きく関与していることが多いのです。
この記事では、「気が悪くなれば線維筋痛症になる」という視点から、心と身体の関係、ストレスや感情と痛みのつながり、そして回復の糸口について詳しく解説します。
1. 線維筋痛症とは?
線維筋痛症は、全身の慢性的な広範囲の痛みと疲労感を主な特徴とする疾患です。
■ 主な症状:
- 全身の筋肉や関節のような部位がズキズキ痛む
- 朝起きたときにこわばりを感じる
- 睡眠障害や極端な疲労感がある
- 頭痛、うつ状態、不安、過敏性腸症候群などの合併症も多い
- 精密検査では異常が見つからない
診断が難しく、誤解されやすい病気でもあり、「気のせい」「サボり」などと誤解されてしまうこともある深刻な疾患です。
2. 「気が悪くなる」とは何か?
■ 気=心身のエネルギー状態
「気が悪い」「気を病む」「気を張る」…私たちの日常語の中に「気」という言葉はあふれています。
東洋医学では、気とは心と体を動かす根本的なエネルギーの流れを意味します。
「気が悪くなる」とは、このエネルギーの流れが滞り、心と体が緊張・疲労・停滞した状態になることを指します。
このような状態が続くと、免疫・ホルモン・自律神経に影響を与え、慢性疾患や原因不明の症状を引き起こすことがあります。
3. 線維筋痛症と「気」の密接な関係
線維筋痛症の根本原因は現代医学でも完全には解明されていません。しかし、近年の研究では以下のようなことが明らかになってきています:
- ストレスが慢性痛の発症に関係している
- セロトニンなどの脳内神経伝達物質の働きに異常がある
- 自律神経が過剰に緊張している
- トラウマや長期の心的外傷(PTSD)の既往歴が多い
これらはすべて、**「気の乱れ」や「心の消耗」**とつながっています。
■ ストレス=気の流れを乱す
慢性的なストレスや心労が続くと、東洋医学的には「気滞(きたい)」と呼ばれる状態になります。
これは気の流れが滞り、心身が硬直し、痛み・こわばり・不安・疲労感が生まれやすくなる状態です。
この「気滞」が長く続けば、**“痛みが取れない体質”**ができてしまうこともあるのです。
4. 線維筋痛症になりやすい「気の状態」と性格傾向
線維筋痛症と診断される方に共通する、ある傾向があります。
■ 真面目で責任感が強い人
「頑張り屋」「人に頼らない」「自分に厳しい」タイプの人ほど、無意識にストレスを溜めこみやすく、気の流れが滞りやすい傾向にあります。
■ 感受性が強く、HSP傾向の人
繊細で人の気持ちを敏感に察知できる人は、人間関係の疲れや環境ストレスを体の痛みとして抱えやすくなります。
■ 幼少期のトラウマや傷つき体験
心の深い部分に“癒えていない感情”がある場合、それが身体症状として表れることがあります。
線維筋痛症の方には、過去の家庭環境・いじめ・失恋・人間関係のトラブルなどが関与しているケースも少なくありません。
5. 気を整えることで、痛みは和らぐ
線維筋痛症の治療には、薬物療法(抗うつ薬・抗けいれん薬)や運動療法、認知行動療法などがありますが、根本的な回復には「気のケア」が不可欠です。
■ 1. 自分を責めない
「こんなことでつらいなんてダメだ」「私が弱いせいだ」と思ってしまう方は多いですが、まずは自分の痛みを“本物”として認めることがスタートです。
気が悪いときは、心も体も防御モードになっています。
その緊張をゆるめてあげるには、“受け入れる”ことが最初の処方です。
■ 2. 呼吸と瞑想で気を整える
痛みがあると、呼吸が浅くなりやすく、交感神経が優位になります。
1日5分の深い呼吸や瞑想を取り入れるだけで、気が巡り、自律神経が安定しやすくなります。
■ 3. 自然に触れる
自然の中には、気を整える力があります。
森の中を歩く、川の音を聞く、陽の光を浴びるなど、「五感を自然とつなげる」ことで、痛みの緩和につながることが多く報告されています。
■ 4. 自分の「心の声」に耳を傾ける
線維筋痛症の痛みは、ある意味で「心の叫び」が体に現れているとも言えます。
日記を書く、話を聴いてもらう、カウンセリングを受けるなど、内なる声を無視しないことが、気の流れを戻す鍵になります。
6. 線維筋痛症からの回復事例
■ ケース1:40代女性・教師
常に生徒・同僚・家族のことを優先し、自分を後回しにしてきた女性。慢性の首肩の痛みが全身に広がり、線維筋痛症と診断される。
通院と同時に、自己表現の時間(趣味・絵・日記)を取り入れ、感情を我慢しない習慣に切り替えたことで、数ヶ月で症状が改善しはじめた。
■ ケース2:30代男性・営業職
「男だから弱音を吐けない」と抱え込み、全国出張をこなす中で、全身の筋肉痛と倦怠感に悩まされるように。診断後、カウンセリングや漢方、森林浴を定期的に取り入れ、「頑張りすぎない自分」を受け入れるようにしたことで、薬に頼らず日常生活が送れるようになった。
7. まとめ|「気が悪い」ことを無視しないで
線維筋痛症は、目に見えないつらさを抱える難病です。
しかし、単に“痛みを治す”ことだけに集中するのではなく、その背景にある「気」の状態、心の疲労、抑え込んできた感情と向き合うことが、長期的な回復の鍵となります。
痛みは、敵ではありません。
むしろそれは、「今まで無理をしてきた自分に気づいて」という内なる声なのです。
■ 覚えておきたいこと
- 線維筋痛症の原因は一つではなく、「心と体の慢性的な緊張・ストレス・気の乱れ」が複雑に絡み合っている
- 自律神経の乱れやセロトニン不足、過去のトラウマなど、精神的背景が大きく関わっている
- 真面目で我慢強い人ほど、無意識のうちに「痛みを生む生き方」をしてしまっている
- 気を整えることは、単なる精神論ではなく、科学的にも回復に有効な実践法につながっている
8. 気を整える、今日からできる7つのセルフケア
- 呼吸を整える(1日5分、深くゆっくり)
- 無音の時間を作る(情報を遮断して“気”を休める)
- 感情を言葉にする(日記・話す・書く)
- 自然に触れる(緑・光・水など五感を開く)
- 頑張るのをやめる日をつくる(予定ゼロの日を週1で)
- 痛みのある自分を責めない(「今の私は十分よくやってる」と肯定)
- 信頼できる専門家とつながる(医師・心理士・漢方・鍼灸など)
9. あなたの痛みは「気づき」の入り口
「線維筋痛症なんて、自分には関係ないと思っていた」
「気が悪いだけで、こんなに痛くなるなんて思わなかった」
多くの人が、発症してからはじめて、自分がいかに“無理を重ねていたか”に気づきます。
この病気は、ある意味で人生の「ブレーキサイン」。
それは、あなたの身体が教えてくれる最後のメッセージかもしれません。
- 無理してきた自分を、少しずつ許す
- 「痛みの向こうにある本当の自分」に目を向ける
- 本音で生きること、弱さを受け入れることを怖がらない
それこそが、**「気を整える=自分を生き直す」**ということなのです。
10. 最後に|あなたはもう十分、頑張ってきました
線維筋痛症の苦しさは、本人にしかわからないものです。
けれど、あなたの身体も心も、これまでずっと、全力であなたを守ってきました。
痛みは、その証です。
どうか、これ以上無理をしないでください。
“気を整える”という選択は、自分を大切にする第一歩です。
薬や治療と並行して、**「自分を癒す習慣」**を少しずつ取り入れてみてください。
今日よりも明日、少しでも痛みが和らぎ、生きやすくなるように。
あなたには、その力が必ずあります。
HSP/HSC専門サロン Momoco Academy 山崎ももこ




















