①視覚過敏
目は悪くないのに見にくい、白地やガラの紙にプリントされた字が読めない、光がまぶしくて見ていられない、など。
- 蛍光灯のちらつき、わずかな明かりや光が気になる
- ちょっとした陽射しが目に突き刺さるほど眩しく感じる
- モニターや画面を見ているとすぐに疲れる
- テレビやパソコンの画面から目をそらす
- どんなものも眩しくて、目を開けていられない
-
本の文字が歪んだりにじんだりして、読むのが困難
- フラッシュをいらがる、チカチカする光をいやがる
- 色の組み合わせなどとても苦手なものがある
- 人混みなど動くものがたくさん入ると凄く疲れる(音の刺激も重なる)
②聴覚過敏
たくさんの話声がうるさくてたまらない、人ごみに行くと苦しくなる、教室のざわつきで苦しくなる、など。
- 小さな物音が気になる
- 音の遠近感をうまく把握できない
- 人混みなどの騒がしい場所だとすぐに疲れる
- 耳に突き刺さるように感じて苦痛を覚える
- そうぞうしい場所ではまったく集中ができない
- 話の聞き取りが難しい(必要な音や声だけを選んで聞くことができない)
- 時計の秒針や換気扇などの生活音がとても気になる、気になって我慢が出来ない
- 普通に感じられる程度の音が、非常に大きく感じられる
- 耳の奥が痛くなったり、頭痛やめまい等を伴うこともある
- 疲れ、めまい、はきけ、気持ち悪さ、違和感、不愉快、イライラ、不安感等を引きおこす
- 混乱をして、焦りや冷や汗、自分の思考や立場、意見など全てが分からなくなる
③嗅覚過敏
気持ち悪くなるニオイがある、きつい香水などのニオイで気持ち悪くなる、など。
- 食べ物のにおいが鼻腔に刺さるように感じる、においがきつい又は苦手
- 人混みの熱気で具合が悪くなる
- 特定のにおいがものすごく苦手(例:柔軟剤、石鹸、花、線香、香水、食品、バスなどの乗り物のにおい)
- 化粧品売り場や、食品売り場、動物園など、苦手なにおいの場所にはいられない、じっとしていられない
- 他に人が気づかないような、においにも気づく
- なんでもにおいをかいで確かめる
- 周囲のにおいに敏感すぎて、人の多いところや公共交通機関などに居ることができず、日常生活に支障をきたす
④触覚過敏
常に冷えを感じたり、暑さを感じたりする、暑さ寒さの感じ方が他人とはちがう、人の手や体をさわることが苦手(好きな人以外)、など。
- 手や足にものを付けることを嫌う
- 雨や風が当たると痛みや不快感を感じる
- 他人に触られることや握手が苦手である
- 特定の素材の衣服でないと身につけたがらない
- 服の着心地にこだわる、苦手できられない服、靴下、靴、帽子などがある
- セーターや衣服のタグなどのチクチクした触感が耐えられないほど不快に感じる
- 手がべたべたする、手に水がつくなどを、とてもいやがる
- 髪のブラシ、歯みがき、つめ切りなどを「される」ことをとてもいやがる
⑤味覚・食感過敏
こだわりがない、特定の食材(触感や音が苦手)が絶対に食べられない、変化が苦手で決まったものだけ食べたい、など。
- 食べ物の味が著しく濃く感じられる
- 味がちがうことに敏感で、決まったものをずっと食べる(例:同じ会社のレトルト食品)
- 味や食感が混じり合うことをいやがる
- 特定の食感をとてもいやがる(例:口の中の触覚で、ネバネバ、揚げ物の衣、ホルモンのヌルヌルなど)
- 味や温度・舌触りなどを口の中で敏感に感じ、食べられないものがある
感覚過敏かどうかは、症状を感じる頻度にもより、いずれの症状も、ある程度は「感覚過敏でない人」にも見られるものです。
⑥その他の感覚過敏
- 空腹の感覚が乏しく、食事をたびたび忘れる。
- 気圧の変化に弱い。
- 疲れているという感覚が分からない。
- 生理痛が人よりも著しく重い。
- 運動の苦手さ、方向・空間認知の苦手さ、巧緻性の低さなど身体の様々な側面に表れる。
- 平衡感覚・温痛覚に関しては、ブランコや道具などをとてもこわがる(平衡感覚)。
- 乗り物やエレベーターですぐ酔う(平衡感覚)。
- 温度に敏感でとても暑がり寒がり(温度覚)。
- 注射など、いたみにすごく敏感(痛覚)。
- 温度に鈍感で季節にあわない服を着ている(温度覚)。
- ケガなどをしても痛みにすごく鈍感(痛覚)。
など、感覚過敏は感覚鈍麻も持ち合わせていることが多い。
感覚過敏・鈍麻の方は「我慢が足りない」と誤解されることがしばしばあります。
前庭感覚過敏であると、体の動きの多い遊びやスポーツはクラクラするような感じがして上手く動けない。競技では、サッカー・ドッジボール・バレーボール・器械運動・バスケットボールで困難を感じる割合が多い。