※なお、知的障害を伴わない知能指数(IQ)が70以上の方に限ります。
注意欠如多動性障害(ADHD)とは、「注意欠如多動症/注意欠陥多動性障害」とも呼ばれ、不注意(集中ができない・気が散りやすい・物をなくしやすい・順序だてて取り組めない、など)、多動性(じっとしていられない・落ち着かない・待つのが苦手)、衝動性(考えずに行動してしまう)の3つの症状がみられる発達障害のことです。自閉スペクトラム症に合併することも多いです。
ADHD のある方は、「みんなとどうして同じようにできないのだろう」と自分に自信が持てなかったり、自尊(じそん)感情が低かったりします。
注意欠陥多動性障害(ADHD)の大人
近年、 大人のADHDも増えていますが、大人になってから初めて出現するものではありません。
本人の人間性や知能などに問題はないのに、社会適応性が悪かったり、親密な人間関係の持続が困難になったりすることが多いため、仕事や人間関係がうまくいかずに生きづらさを感じます。
抑うつ気分や不安感が強く、自尊心の低下が見られ、うつや不安の状態になりやすいです。
日常の活動(たとえば、掃除にかかる時間、歩くスピード、など)すべてにわたる能力や行動のパフォーマンスが落ちていきます。
多少なら、誰にでも当てはまると感じられるかもしれません。しかし、ADHDの場合は、特性がとても強く、長年にわたって続きます。そのため周りとのトラブルや日常生活での支障が出てしまいます。本人の努力不足や怠けているなどと誤解され、悩んでいる人も少なくありません。
主な症状
・不注意
外からの刺激などですぐに気がそれやすく、授業中や物事に集中し続けることの苦手さがあるなどの特徴があります。また、整理整頓が苦手な人もいます。
目に見える形では動きは少ないのですが、 「頭の中が多動な状態」です。
- 細かい注意を払うことができない
- 指示されたことをやり遂げることができない
- 順序立てて課題を進めることが難しい
- 継続して課題に取り組むことが難しい
- よく必要な物をなくす
- よく関係ないことで気が散る
- 抜け漏れることがある
- 気が散りやすくて、物事に集中することが苦手、または集中力が続かない
- やりたいことや好きなことに対しては積極的に取り組めるが、集中しすぎてしまう
- 片付けや整理整頓が苦手
- 約束や時間を守れないことがある
- 勉強や遊びに注意を持続させることが困難である
- 直接話しかけられても聞いていないように見える
- 話を聞いていないと思われ、指摘をされる
- 課題や活動を手際よく行えないことが多い
- 遅刻が多い。または遅刻しそうなことが多い
- スケジュール管理ができない
- 行動がワンテンポ遅れる
- 何かに「はまる」とほどほどでやめることができず、抜け出すことができない(読書やネット、ゲームなど)
- ぼーっとしているように見える
・多動性・衝動性
動いていないと気分的に落ち着かない、ひとつの物事にじっくり取り組んだり、ひとつの場所にじっと留まることを好みません。無意識のうちに身体が動いてしまい、じっとしていても内心は落ち着かないことが多くあります。
気持ちのコントロールや欲求のコントロールが苦手などの特徴があり、じっくり計画を立てて行動するよりも、思いついたら即行動という場合が多いです。
- 手や足を絶えず落ち着かなく動かしたり、体をくねらせたりねじったり、座っていても動きたくなってしまうなど、体を動かすことがやめられない
- じっと着席しつづけるのが難しく席を離れてしまう
- じっとしていられないような気分になる
- 静かに遊びや余暇(よか)活動に取り組むことが難しい
- しゃべりすぎることがある
- 落ち着きがなく注意を持続することが難しい、または困難である
- 順番待ちや交通渋滞、その他、待つことが苦手
- おせっかいや余計な一言が多い
- おちついて見えるが内心は落ち着かない感じ
- 衝動買いをしてしまう
- 活動していないと落ち着かず、家で座って静かに過ごしていること(読書やテレビを見る、など)ができない
- 他人と話していても話の筋を追えないことがある
- 話をよく聞いていても内容を忘れたりする
- 単調な仕事や読書、計算を持続することが苦痛である


