**「ずりばい・はいはい・うつ伏せ(腹ばい)をあまり経験しない場合に、起こり得ると“指摘されることがある”影響」**について、誤解されやすい点も含めて詳しく説明しますね。
※先に大切なこと
👉 これらをしなかった=必ず障害が出る、というわけではありません。
発達には個人差が大きく、医学的に「◯◯しないと障害が出る」と断定できるものはほとんどありません。
① ずりばい・はいはい・うつ伏せの役割
これらは単なる移動手段ではなく、以下の発達に関わります。
● 身体面
- 首・体幹(お腹・背中)の筋力
- 肩・股関節の安定性
- 左右の体を交互に使う力(協調運動)
● 感覚面
- 触覚(手・お腹・膝)
- 固有感覚(自分の体の位置感覚)
- 前庭感覚(バランス感覚)
● 脳・神経の発達
- 左右の脳をつなぐ働き
- 目と手の協調(ビジョントレーニング的要素)
② 経験が少ない場合に「関連が指摘されることがある」もの
あくまで関連が報告・指摘されることがあるもので、因果関係が確定しているわけではありません。
1. 姿勢・運動面
- 体幹が弱く、姿勢が崩れやすい
- 転びやすい、疲れやすい
- ボール投げ・縄跳び・書字動作が苦手
2. 手先の不器用さ
- 鉛筆操作がぎこちない
- ハサミや箸が苦手
(肩や体幹が安定しない影響)
3. 感覚の偏り
- 触られるのを嫌がる/逆に強い刺激を求める
- バランス感覚が弱い、怖がりすぎる/無鉄砲
4. 学習面(一部の子)
- 黒板の文字を書き写すのが苦手
- 文字が枠からはみ出る
※これも単独原因ではありません
③ よくある誤解
❌「はいはいしなかった子は発達障害になる」
→ 間違いです。
- 発達障害(ASD、ADHDなど)は先天的要因が主
- はいはいの有無だけで決まるものではありません
❌「歩くのが早いのは良くない」
→ これも誤解
歩くのが早くても、後から必要な動きは身につくことが多いです。
④ もし経験が少なくても、今からできること
年齢を問わず、以下はとても効果的です。
- 床でゴロゴロ遊ぶ
- 四つ這い遊び(トンネルくぐり、動物まね)
- 雑巾がけ、クマ歩き
- ボール遊び、平均台遊び
- 公園の遊具(登る・ぶら下がる)
👉 「遊び」で補うことが十分可能です。
⑤ 心配な場合の目安
次のような場合は、専門家に相談すると安心です。
- 極端に不器用で日常生活に困りがある
- 姿勢保持が年齢に比べて難しい
- 園や学校で継続的に指摘がある
→ 小児科、発達外来、作業療法士(OT)など
まとめ
- ずりばい・はいはい・うつ伏せは発達を助ける大切な経験
- しなかったからといって障害が出るわけではない
- 後からでも遊びで十分カバー可能
つづいて、
ここでは0歳〜4歳までの成長過程を、身体(運動)/認知(考える力)/言葉/社会性・心
の4つの視点で、できるだけ丁寧に説明します。
※発達には大きな個人差があります。
「だいたいこの頃に多い」という目安として読んでください。
0歳(誕生〜11か月)
◆ 身体・運動
- 0〜2か月:首がぐらつく、手足をバタバタ
- 3〜4か月:首がすわる、うつ伏せで頭を上げる
- 5〜6か月:寝返り、支えがあれば座る
- 7〜8か月:一人座り、ずりばい
- 9〜10か月:はいはい、つかまり立ち
- 11か月頃:伝い歩き
👉 全身運動と感覚入力の土台作りの時期
◆ 認知(考える力)
- 音・光・人の顔に反応
- 「物がある/ない」を少しずつ理解(いないいないばあ)
◆ 言葉
- クーイング(あー、うー)
- 喃語(ばばば、だだだ)
◆ 社会性・心
- 養育者との愛着形成
- 笑いかけると笑い返す
1歳(12〜23か月)
◆ 身体・運動
- 歩き始める(早い子・遅い子の差が大きい)
- しゃがむ、立つ
- 指先でつまむ(親指と人差し指)
◆ 認知
- 大人の行動を真似する
- 簡単な指示が分かる
(「ちょうだい」「どうぞ」)
◆ 言葉
- 初語が出る(意味のある言葉)
- 理解語彙 > 発語(分かる言葉の方が多い)
◆ 社会性・心
- 人見知り、後追い
- 「自分」と「他人」の区別が芽生える
2歳(24〜35か月)
◆ 身体・運動
- 走る、登る、ジャンプの準備
- ボールを蹴る
- スプーン・コップが上達
◆ 認知
- 因果関係が分かる
(押すと動く、落とすと音が出る) - ごっこ遊びが始まる
◆ 言葉
- 語彙が急増(言葉の爆発)
- 2語文(「ママ きた」「ワンワン いた」)
◆ 社会性・心
- 自我の芽生え
- イヤイヤ期の始まり
👉 自立への大切なステップ
3歳(36〜47か月)
◆ 身体・運動
- 片足立ち、ジャンプ
- 三輪車
- クレヨンで丸を描く
◆ 認知
- 色・形・数の基礎
- 想像力が豊かになる
◆ 言葉
- 3語文以上
- 会話が成立する
- 「なんで?」が増える
◆ 社会性・心
- 他児に興味を持つ
- 順番・簡単なルールが分かる
- 感情を言葉で表し始める
4歳(48〜59か月)
◆ 身体・運動
- ケンケン
- ボール投げが安定
- はさみ・箸の操作が向上
◆ 認知
- 時間の概念(昨日・明日)
- 物事を比べる、分類する
- ルールのある遊びを理解
◆ 言葉
- 語彙が豊富
- 経験を順序立てて話す
- 相手に伝わる話し方
◆ 社会性・心
- 友だち関係が深まる
- 相手の気持ちを想像し始める
- 我慢・調整が少しずつ可能に
よくある心配について
● 発達が早い/遅い
→ どちらも個性の範囲が非常に広い
● 途中を飛ばしている
(はいはいしない、言葉が遅いなど)
→ 後から追いつくことは多い
● 大切なのは
- 安心できる大人
- たくさんの遊び
- 比較しすぎないこと
まとめ
- 0〜4歳は人生の土台づくり
- 運動・言葉・心は同時に影響し合って育つ
- 「できる・できない」より
その子なりのペースが最重要
つづいて、
ここでは 0歳〜4歳までの成長過程を、
👉「その時期に起こりやすい発達」
👉「育てる中で多くの保護者が悩む“困難”」
👉「その困難の意味・背景」
👉「関わり方のヒント」
まで含めて、かなり踏み込んで説明します。
※前提として
困難=育て方の失敗ではありません。
むしろ「発達が進んでいるサイン」であることが多いです。
0歳前半(0〜5か月)
発達の特徴
- 生理的欲求が中心(眠い・空腹・不快)
- 自分で調整する力はほぼない
- 大人の反応で世界を学ぶ
よくある育てにくさ・悩み
● 泣き止まない
- 何をしても泣く
- 理由が分からない
● 寝ない・抱っこでしか寝ない
- 背中スイッチが強い
- 置くと起きる
● 育てている実感が持てない
- 反応が少なく不安になる
なぜ起こる?
- 脳が未熟で不快を言語化できない
- 安心=人の体温・匂い
- 「自分と世界の区別」がまだない
👉 泣く=生きるための唯一の手段
関わりのヒント
- 泣き止ませるより「そばにいる」
- 抱っこは甘やかしではない
- 大人が休める環境を最優先
0歳後半(6〜11か月)
発達の特徴
- ずりばい・はいはい・つかまり立ち
- 好奇心が爆発
- 人の区別がはっきりする
よくある育てにくさ
● 後追い・人見知りが激しい
- 少し離れるだけで大泣き
● 何でも口に入れる
- 危険が増える
● 動きが激しく目が離せない
なぜ起こる?
- 「この人は安心」「知らない人は怖い」と分かるようになった
- 探索欲求と危険判断がアンバランス
👉 愛着がしっかり育っている証拠
関わりのヒント
- 「行ってくるね、すぐ戻るよ」と言葉にする
- 危険を減らし、行動を止めすぎない
- 怖がる気持ちを否定しない
1歳(1〜1歳11か月)
発達の特徴
- 歩くことで世界が広がる
- 自分でやりたい気持ちが芽生える
- 言葉の理解が進む
よくある育てにくさ
● かんしゃく
- 思い通りにならないと泣く
● 危ないことばかりする
- 止めると怒る
● 食べムラが激しい
なぜ起こる?
- 「やりたい」気持ちはあるが
- 「うまくできない」「言えない」
👉 欲求と言語・運動能力のズレ
関わりのヒント
- 先回りしすぎない
- 「ダメ」より「こうしよう」
- できたことを具体的に認める
2歳(2〜2歳11か月)
発達の特徴
- 自我がはっきりする
- 言葉が急成長
- 想像力が芽生える
よくある育てにくさ(最も多い)
● イヤイヤ期
- 何でも「イヤ」
- 理由が分からない拒否
● 気分の切り替えができない
- 一度泣くと長い
● 親の余裕がなくなる
- イライラ・自己嫌悪
なぜ起こる?
- 「自分で決めたい」
- でも感情のコントロールが未熟
👉 自立の入り口
関わりのヒント
- 選択肢を与える(AかB)
- 感情を言葉に代弁
- すぐに正そうとしない
3歳(3〜3歳11か月)
発達の特徴
- 会話が成立
- 友だちへの関心
- ルール理解が始まる
よくある育てにくさ
● 口が達者で言い返す
- 理屈っぽい
● 友だちトラブル
- 取る・叩く・泣かせる
● 甘えと自立の揺れ
- 赤ちゃん返り
なぜ起こる?
- 言葉と思考が急成長
- 感情調整はまだ途中
👉 心の発達が追いついていないだけ
関わりのヒント
- 行動ではなく気持ちに注目
- すぐ仲裁しすぎない
- 甘えを受け止める
4歳(4〜4歳11か月)
発達の特徴
- 集団の中での自分を意識
- 想像力・共感が育つ
- 自己評価が始まる
よくある育てにくさ
● 「できない」と言う
- 自信がない
● ルールにこだわる
- 融通が利かない
● 親の言葉に傷つきやすい
なぜ起こる?
- 比較する力が育った
- 失敗を意識し始めた
👉 心が大きく育っている証拠
関わりのヒント
- 結果より過程を認める
- 失敗を否定しない
- 感情を一緒に整理する
全期間を通して大切なこと
✔ 育てにくさは「異常」ではない
✔ 困難は発達の節目で強く出る
✔ 親が完璧である必要はない
最後に
もし今、
- 「育てにくい」
- 「他の子と違う気がする」
- 「自分が向いていないと感じる」
そう思っているなら、それはあなただけではありません。
発達は一直線ではなく、揺れながら進むものです。
つづいて、
ここでは **0歳〜4歳までの「身体の発達(運動発達)」**を、
👉 粗大運動(全身の動き)
👉 微細運動(手指の動き)
👉 姿勢・体幹・感覚
の流れが分かるように、かなり詳しく説明します。
※発達には大きな個人差があります。
「できる/できない」で判断せず、流れとして見てください。
0歳(誕生〜11か月)
◆ 粗大運動(全身)
0〜2か月
- 仰向けで手足をバタバタ
- 首が不安定
- 原始反射が中心
3〜4か月
- 首すわり
- うつ伏せで肘をつき頭を持ち上げる
5〜6か月
- 寝返り
- うつ伏せで手を伸ばす
- 支え座り
7〜8か月
- 一人座り
- ずりばい(腹ばい移動)
9〜10か月
- はいはい
- つかまり立ち
11か月頃
- 伝い歩き
- しゃがむ動作の始まり
◆ 微細運動(手指)
- 0〜2か月:握反射
- 3〜4か月:手を見つめる
- 5〜6か月:物をつかんで口へ
- 7〜8か月:持ち替え
- 9〜10か月:指でつまむ(粗いつまみ)
- 11か月:親指と人差し指でつまむ
◆ 姿勢・体幹・感覚
- 頭→体幹→手足の順に安定
- 重力に抗する感覚を学ぶ
- 触覚・前庭感覚の土台形成
1歳(12〜23か月)
◆ 粗大運動
- 歩き始める
- 方向転換
- しゃがんで立つ
- 階段を這って上る
◆ 微細運動
- 積み木2〜3個
- スプーンを持つ
- ページを1枚ずつめくる
◆ 姿勢・体幹・感覚
- 体幹はまだ不安定
- 転びながらバランスを学ぶ
- 感覚の偏りが見え始めることも
2歳(24〜35か月)
◆ 粗大運動
- 走る
- 両足ジャンプの準備
- ボールを蹴る
- 低い所から跳び降りる
◆ 微細運動
- 積み木4〜6個
- なぐり描き〜円に近い形
- スプーン・フォークが上達
◆ 姿勢・体幹・感覚
- 体幹が少しずつ安定
- 動きがダイナミックになる
- 危険判断は未熟
3歳(36〜47か月)
◆ 粗大運動
- 両足ジャンプ
- 片足立ち数秒
- 三輪車
- 階段を交互に上る
◆ 微細運動
- 丸を描く
- はさみを使い始める
- ボタンの着脱(練習段階)
◆ 姿勢・体幹・感覚
- 姿勢保持が向上
- 左右の協調運動が増える
- 感覚調整が進む
4歳(48〜59か月)
◆ 粗大運動
- ケンケン
- ボール投げ・捕球
- バランスよく走る
- 鉄棒にぶら下がる
◆ 微細運動
- 十字・四角を描く
- はさみ操作が安定
- 箸の練習が進む
◆ 姿勢・体幹・感覚
- 長時間座れる
- 姿勢を自分で調整
- 動きに自信が出る
身体発達でよくある心配
● はいはいしなかった
→ 多くは問題なし
遊びで十分補える
● 転びやすい
→ 体幹・感覚が育つ途中
● 不器用
→ 成長と経験で改善することが多い
身体発達を支える遊び(年齢不問)
- 床遊び・ゴロゴロ
- 四つ這い遊び
- 公園遊具
- 雑巾がけ
- ボール遊び
まとめ
- 身体の発達は
頭→体幹→手足/大→小 の順 - 「できる時期」より
積み重ねの質が大切 - 遊びが一番のトレーニング
つづいて、
ここでは **0歳〜4歳までの「神経系(脳・神経ネットワーク)の発達」**を、
👉 脳の仕組みの変化
👉 動き・感覚・感情との関係
👉 この時期に起こりやすい困りごと
まで含めて、分かりやすく説明します。
※医学的診断ではなく、発達理解のための一般的な説明です。
神経系発達の大原則(0〜4歳)
✔ 生まれた時に神経細胞はほぼ揃っている
✔ 0〜4歳は「神経回路を作る時期」
✔ 使われた回路は強く、使われない回路は整理される
👉 経験依存性の発達が最も強い時期です。
0歳(誕生〜11か月)
◆ 脳・神経の状態
- 脳重量が急激に増加
- 神経細胞同士の結合(シナプス)が爆発的に増える
- 原始反射が徐々に抑制される
◆ 神経発達の中心
- 脳幹・小脳が主役
- 感覚入力(触覚・前庭感覚)が最重要
◆ 行動として見えること
- 反射的な動き → 意図的な動き
- うつ伏せ・寝返り・はいはい
- 感情が身体反応として出る
◆ 困りごととして出やすい
- 泣きが激しい
- 刺激に敏感/鈍感
- 寝ない
👉 神経系が未熟なための自然な反応
1歳(12〜23か月)
◆ 脳・神経の状態
- 感覚野・運動野の連携が進む
- 左右脳をつなぐ連絡が増える
- 言語中枢の準備段階
◆ 神経発達の中心
- 感覚統合(感覚をまとめる力)
- 自分の体をコントロールする回路
◆ 行動として見えること
- 歩く・登る
- 模倣行動
- 単語理解が急増
◆ 困りごと
- 危険判断ができない
- かんしゃく
- 落ち着きがない
👉 ブレーキ系の神経がまだ弱い
2歳(24〜35か月)
◆ 脳・神経の状態
- 前頭前野が動き始める(まだ未熟)
- 神経回路の整理(刈り込み)が始まる
- 言語ネットワークが急拡大
◆ 神経発達の中心
- 感情と言語の連結
- 自我の形成
◆ 行動として見えること
- イヤイヤ
- 強いこだわり
- ごっこ遊び
◆ 困りごと
- 感情の爆発
- 切り替えができない
- 理由のない拒否
👉 感情のアクセルは強いが、ブレーキが未完成
3歳(36〜47か月)
◆ 脳・神経の状態
- 前頭前野と感情系の連携が進む
- 注意・記憶・計画の基礎が育つ
- 左右脳の役割分担が明確に
◆ 神経発達の中心
- 自己制御の練習
- 社会脳の発達
◆ 行動として見えること
- 会話の成立
- ルール理解の芽生え
- 友だちとの関わり
◆ 困りごと
- 衝動的な行動
- 友だちトラブル
- 言葉は出るが感情調整が難しい
👉 「分かる」と「できる」の差が大きい
4歳(48〜59か月)
◆ 脳・神経の状態
- 前頭前野がさらに発達
- 神経ネットワークが効率化
- 共感・想像の回路が強化
◆ 神経発達の中心
- 抑制・計画・振り返り
- 他者視点の理解
◆ 行動として見えること
- 我慢が少しできる
- 先を見通した行動
- 自分を評価する発言
◆ 困りごと
- 失敗を極端に嫌がる
- 不安が強くなる
- 完璧主義的傾向
👉 心が高度化した証拠
神経系発達を支える重要な経験
① 身体を使った遊び
- うつ伏せ・はいはい
- 回る・登る・ぶら下がる
② 安定した愛着
- 一貫した応答
- 感情の受け止め
③ 繰り返し
- 同じ遊び
- 同じやりとり
心配の目安(相談すると安心な場合)
- 極端な感覚過敏/鈍麻が続く
- 言葉と理解のズレが大きい
- 日常生活に強い困難がある
→ 小児科・発達外来・作業療法士など
まとめ
- 0〜4歳は神経回路を作る黄金期
- 困った行動は未熟な神経の表現
- 関わり方で回路は育つ
つづいて、
ここでは **0〜4歳の神経系発達(脳・神経回路・感覚統合・前頭前野)**を支えるために
**「本当に必要な栄養素」**を、
- ① 何のために必要か(神経学的役割)
- ② 不足するとどうなりやすいか
- ③ 多く含む食品(現実的な食事レベル)
- ④ 発達段階ごとのポイント
まで含めて、整理して説明します。
※治療やサプリ指示ではなく、発達を理解するための栄養学です。
神経系発達と栄養の基本原則(0〜4歳)
✔ 脳は「脂質・たんぱく質・微量栄養素」で作られる
✔ 0〜3歳は特に栄養不足の影響を受けやすい
✔ 単一栄養素ではなく「組み合わせ」が重要
① 脂質(特にDHA・ARA)
● 神経学的役割
- 脳細胞膜の主成分
- シナプス形成・神経伝達を助ける
- 視覚・認知・感情調整に関与
👉 脳の構造そのものを作る材料
● 不足すると
- 注意力の弱さ
- 感情の不安定さ
- 学習効率の低下(長期的)
● 多く含む食品
- 青魚(さば・いわし・さんま)
- 母乳(特にDHA)
- 卵黄
- 魚油を含む食品
● 発達段階ポイント
- 0〜2歳は特に重要
- 脳重量増加が最も大きい時期
② たんぱく質(アミノ酸)
● 神経学的役割
- 神経伝達物質(ドーパミン、セロトニンなど)の材料
- 脳・筋肉・ホルモンの基礎
● 不足すると
- 集中力低下
- 疲れやすさ
- 情緒の不安定
● 多く含む食品
- 肉・魚
- 卵
- 大豆製品(豆腐、納豆)
- 乳製品● ポイント
- 「量」より毎食少しずつ
- 朝のたんぱく質は神経安定に有効
③ 鉄
● 神経学的役割
- 酸素を脳に運ぶ
- 神経伝達の活性化
- 前頭前野機能に関与
● 不足すると(特に多い)
- 集中できない
- イライラ
- 発達全体の停滞感
👉 乳幼児の鉄不足は非常に多い
● 多く含む食品
- 赤身肉
- レバー
- 小松菜
- 鉄強化食品
● ポイント
- 1〜3歳で不足しやすい
- ビタミンCと一緒に摂取すると吸収UP
④ 亜鉛
● 神経学的役割
- シナプス形成
- 味覚・食欲調整
- 免疫と神経の両方に関与
● 不足すると
- 食事量が減る
- 発達が緩やか
- 情緒が不安定
● 多く含む食品
- 肉類
- 魚介
- 卵
- 海藻(適量)
⑤ ヨウ素
● 神経学的役割
- 甲状腺ホルモンの材料
- 脳の成熟・神経伝導に必須
● 不足すると
- 認知発達の遅れ
- 全身の発達低下
● 多く含む食品
- 海藻(昆布・わかめ)
※過剰摂取は避ける(毎日大量はNG)
⑥ ビタミンB群(B6・B12・葉酸)
● 神経学的役割
- 神経伝達物質の合成
- 神経回路の維持
- 情緒安定
● 不足すると
- 落ち着きのなさ
- 疲労感
- 言語・認知の伸びに影響
● 多く含む食品
- 肉・魚
- 卵
- 緑黄色野菜
- 穀類
⑦ コリン
● 神経学的役割
- 記憶・学習に関与
- 神経伝達物質アセチルコリンの材料
● 多く含む食品
- 卵黄
- 肉
- 大豆
👉 近年注目されている重要栄養素
⑧ ビタミンD
● 神経学的役割
- 神経成長因子の調整
- 感情・行動調整との関連
● 多く含む
- 魚
- きのこ
- 日光浴(短時間)
年齢別・特に重要な栄養フォーカス
🔹 0〜1歳
- DHA・鉄・脂質
- 母乳/ミルクの役割が大きい
🔹 1〜2歳
- 鉄・亜鉛・たんぱく質
- 食べムラ対策が重要
🔹 3〜4歳
- たんぱく質+B群
- 食事リズムと質が神経安定に直結
よくある誤解
❌「サプリで補えばいい」
→ 基本は食事が最優先
❌「少食=栄養不足」
→ 内容次第で問題ないことも多い
まとめ
- 神経系発達には
脂質・鉄・たんぱく質が三本柱 - 栄養は「行動・感情・集中力」に直結
- 発達の困りごとは栄養が影響している場合もある
つづいて、
「食事とはなんなのか」を、栄養学・発達科学・人間発達の視点から、
特に 0〜4歳の子どもを軸にして説明します。
結論から
食事とは、
「生きるための栄養補給」だけでなく、
脳・身体・心・人とのつながりを育てる“総合的な体験”です。
① 食事=身体を作る行為
これは一番分かりやすい役割です。
- 骨・筋肉・内臓・血液を作る
- 脳・神経回路の材料になる
- 免疫力を支える
特に0〜4歳は
👉 食べたものが、そのまま“体の一部”になる時期。
② 食事=脳・神経を育てる刺激
食事は、実は強い神経刺激の集合体です。
食事中に脳に入る情報
- 味覚(甘い・苦い・酸っぱい)
- 嗅覚(匂い)
- 触覚(舌触り・温度)
- 視覚(色・形)
- 聴覚(噛む音)
👉 これらが同時に統合され、
感覚統合・前頭前野・情動制御が育ちます。
③ 食事=感情を育てる体験
子どもにとって食事は、
- 安心できる時間
- 受け入れてもらえる感覚
- 失敗しても許される場
でもあります。
例えば
- 「食べられなくてもいいよ」
- 「一緒に食べよう」
こうしたやりとりが
👉 食=安心
という神経回路を作ります。
④ 食事=学習の場
食事中、子どもは常に学んでいます。
- 順番を待つ
- 手を使う
- 咀嚼・嚥下の協調
- 自分の空腹・満腹を感じ取る
👉 自己調整力のトレーニングです。
⑤ 食事=人との関係性
人は本能的に
「一緒に食べる相手=安全」
と認識します。
- 視線を合わせる
- 会話を交わす
- 同じものを食べる
👉 愛着・社会性の土台。
0〜4歳では特に重要です。
⑥ 食事=文化・価値観の継承
- 何を食べるか
- どう食べるか
- 食卓の雰囲気
これらは
👉 無意識に価値観として刷り込まれます。
「食事は楽しい」
「食事は安心できる」
この感覚は一生残ります。
⑦ 子どもにとっての「食事」の本質
子どもにとって食事とは、
「この世界は安全だ」と感じながら、
自分の体と心を育てる時間
です。
よくある誤解
❌ 食事=栄養を取らせること
→ それだけでは不十分
❌ 食べない=問題
→ 発達段階では自然なことも多い
❌ ちゃんと食べさせなきゃ
→ プレッシャーは逆効果になりやすい
大人にとって大切な視点
- 食べさせることより「共に食べる」
- 量より「経験」
- 正しさより「安心」
まとめ
食事とは、
命を維持し、
脳と身体を作り、
心と人間関係を育てる、
最も日常的で最も影響力の大きい体験。
つづいて、
栄養=食事だけと思われがちですが、発達科学・神経科学では
**「体に入ってくるものすべてが栄養」**と考えます。
ここでは 0〜4歳の発達を軸に、
👉 **食事以外で体・脳・神経に入ってくる“栄養”**を
体系的に説明します。
結論
体に入ってくる栄養は、
「物質的なもの」+「感覚・関係・環境」の両方です。
① 空気(酸素)
● 役割
- 脳は体重の約2%だが、酸素消費は約20%
- 神経活動・集中・情緒安定に直結
● 発達への影響
- 深くゆったりした呼吸 → 神経が落ち着く
- 浅い呼吸が続く → 興奮・不安定
● 実践
- 外遊び
- 体を動かす遊び
- 泣いた後の抱っこで呼吸を整える
② 水
● 役割
- 神経伝達の媒介
- 体温調整
- 老廃物の排出
● 不足すると
- ぼーっとする
- 機嫌が悪い
- 集中しにくい
👉 水は“神経の潤滑油”
③ 皮膚から入る感覚刺激(触覚)
● 役割
- 安心感の形成
- 自己境界の発達
- 感覚統合の基礎
● 例
- 抱っこ
- なでる
- マッサージ
- 土・砂・水遊び
④ 動き(前庭感覚・固有感覚)
● 役割
- 神経ネットワークを強化
- 体の位置・力加減を学ぶ
- 情緒の安定
● 例
- 揺れる
- 回る
- 登る
- はいはい・ゴロゴロ
👉 動きは脳への直接入力
⑤ 光(視覚刺激)
● 役割
- 体内時計の形成
- 視覚野・注意機能の発達
● ポイント
- 朝の自然光は特に重要
- 強すぎる人工光は神経疲労につながる
⑥ 音・声(聴覚刺激)
● 役割
- 言語中枢の発達
- 情緒調整
- 社会性の基礎
● 例
- 優しい語りかけ
- 歌
- 生活音
⑦ 人との関係(愛着)
● 役割
- ストレス耐性の形成
- 自律神経の安定
- 脳の安全回路の構築
👉 最も重要な“非物質的栄養”
⑧ 安心・予測可能性
● 役割
- 前頭前野の発達
- 感情制御能力の基礎
● 例
- 生活リズム
- 一貫した対応
- 繰り返し
⑨ 言葉・意味
● 役割
- 経験の整理
- 記憶の定着
- 自己理解
⑩ 自然環境
● 役割
- 五感統合
- ストレス軽減
- 運動量の確保
逆に「入れすぎ注意」なもの
- 過剰な情報刺激(長時間画面)
- 大きすぎる音
- 強い香り
- 不安・緊張
👉 これらも“体に入る刺激”
まとめ
食事以外の栄養とは、
脳と神経に入るすべての経験。
- 空気
- 水
- 動き
- 触れ合い
- 光
- 音
- 人との関係
- 安心感
これらが揃って、初めて
食事の栄養も活きるのです。
線維筋痛症療法院 院長 山崎実希子



















