リンパを流すには「さするだけ」でいい?
― 皮膚から何ミリ・何センチでリンパは動くのか ―
はじめに
「リンパは強く押さなくても、さするだけで流れる」
そんな言葉を聞いたことはありませんか?
マッサージと聞くと、
- 強く押す
- ぐいぐい揉む
というイメージを持つ人も多いですが、リンパに関してはまったく違う考え方が必要です。
この記事では、
- リンパは体のどこを流れているのか
- 皮膚から何ミリ・何センチの深さにあるのか
- なぜ「さするだけ」でよいと言われるのか
を、わかりやすく解説します。
1. そもそもリンパとは何か
リンパとは、体の中を流れる透明な液体で、主に次の役割を担っています。
- 体の中の余分な水分を回収する
- 老廃物を運ぶ
- 体を守る働きをサポートする
血液のように心臓という強力なポンプがないため、
リンパはとてもゆっくり流れているのが特徴です。
2. リンパは体のどこを流れているのか
リンパ管は全身に張り巡らされていますが、
実はその多くは皮膚のすぐ下を流れています。
リンパ管の位置
- 表皮・真皮のさらに下
- 皮膚から 約1〜3ミリ程度 の浅い場所
つまりリンパは、
筋肉の奥や深い部分ではなく、かなり表面近くに存在しています。
3. 皮膚から何センチも押す必要はない理由
強く押したり、深く揉んだりすると、
- 筋肉には刺激が入る
- しかしリンパ管はつぶれてしまう
リンパ管はとても細く、やわらかいため、
強い圧をかけると逆に流れにくくなるのです。
そのため、
- 何センチも押し込む必要はない
- 指が皮膚の表面を動かす程度で十分
とされています。
4. 「さするだけ」で流れると言われる理由
リンパは、次のような刺激で動きやすくなります。
- 皮膚が軽く動く
- 周囲の筋肉が少し動く
- 呼吸による体の揺れ
つまり、
皮膚をやさしくさするだけでも、リンパ管には十分な刺激になるのです。
目安としては、
- 皮膚が少し動く程度
- 痛みや違和感がない強さ
- 「気持ちいい」と感じる圧
これでリンパは反応すると考えられています。
5. リンパケアは「弱すぎてもいい」
よくある誤解に、
「ちゃんと効かせるには、ある程度の強さが必要」
というものがあります。
しかしリンパの場合は逆です。
- 弱い → OK
- かなり弱い → OK
- 強い → むしろNG
弱すぎるくらいがちょうどいいのがリンパケアの特徴です。
6. なぜリンパは詰まりやすいのか
リンパは、次のような理由で流れが滞りやすくなります。
- 長時間同じ姿勢
- 運動不足
- 呼吸が浅い
- 冷え
だからこそ、
- さする
- 動かす
- 呼吸する
といったやさしい刺激が大切になります。
7. 今日からできる安全なリンパの意識の持ち方
専門的な技術がなくても、次のことを意識するだけで十分です。
- 肌の表面をなでるように触る
- 痛くしない
- 無理に流そうとしない
- 深呼吸しながら行う
- 短時間でOK
「流そう」と力を入れるより、
「整える」意識が大切です。
8. 注意点:強い刺激が合わない場合もある
体調や体質によっては、
- 触られるだけで疲れる
- 違和感を感じる
という人もいます。
その場合は、
- 無理に行わない
- 休む
- 気になるときは専門家に相談する
ことが大切です。
おわりに
リンパは、
- 皮膚から約1〜3ミリという浅い場所を流れ
- 強い力を必要とせず
- さするだけの刺激で反応する
とても繊細な循環システムです。
だからこそ、
- 強くしない
- がんばりすぎない
- やさしく触れる
これが、リンパを意識する上での基本になります。
つぎに、そもそもリンパとは何なのか
― 体の中で何をしている?部位別(首・脚・腕)リンパの考え方 ―
はじめに
「リンパを流すといい」「リンパが滞るとよくない」
このような言葉はよく聞きますが、
- そもそもリンパとは何なのか
- 血液と何が違うのか
- 体のどこを流れているのか
を、正しく理解している人は意外と少ないかもしれません。
この記事では、
リンパの正体・役割・体の部位ごとの特徴を、できるだけわかりやすく解説します。
1. リンパとは何かを一言で言うと
リンパとは、
**体の中を流れる「回収と掃除のための液体」**です。
血液が「栄養や酸素を届ける役割」だとすると、
リンパは「使い終わったものや余分なものを回収する役割」を持っています。
2. リンパ液・リンパ管・リンパ節の違い
「リンパ」と一言で言っても、実は3つの要素があります。
① リンパ液
- 透明〜薄い黄色の液体
- 血液からしみ出た水分が元になっている
- 老廃物や余分な水分を含む
② リンパ管
- リンパ液が流れる細い管
- 皮膚のすぐ下に多く存在する
- とてもやわらかく、つぶれやすい
③ リンパ節
- リンパ液が集まる「中継地点」
- 首・わき・足の付け根などに多い
- 体を守る働きをサポートしている
これらをまとめて「リンパ」と呼ぶことが多いです。
3. リンパはなぜ流れにくいのか
血液には心臓という強力なポンプがありますが、
リンパにはそれがありません。
リンパが流れる力は主に、
- 筋肉の動き
- 呼吸による体の圧変化
- 皮膚が動く刺激
といった、とても小さなものです。
そのためリンパは、
- 動かない時間が長い
- 同じ姿勢が続く
と、流れがゆっくりになりやすい特徴があります。
4. リンパは体のどこを流れているのか
リンパ管の多くは、
- 皮膚から約1〜3ミリほど下
- 筋肉よりもかなり表面側
に存在しています。
つまり、
強く押す必要はなく、皮膚が少し動く程度の刺激で十分だと考えられています。
5. 部位別リンパの考え方① 首のリンパ
首のリンパの特徴
- 頭や顔からのリンパが集まる
- デリケートで刺激に弱い
- リンパ節が多い場所
首は、体の中でも特に繊細なエリアです。
首まわりで大切な考え方
- 強く触らない
- さする程度で十分
- 「流そう」としすぎない
首は「整える」意識がとても重要です。
6. 部位別リンパの考え方② 脚のリンパ
脚のリンパの特徴
- 重力の影響を受けやすい
- 下から上へ戻る必要がある
- 長時間座ると滞りやすい
脚のリンパは、
動かすことそのものが一番の助けになります。
脚まわりで大切な考え方
- 歩く
- 足首や膝を動かす
- 軽くさする
「強く揉む」より「動かす」が基本です。
7. 部位別リンパの考え方③ 腕のリンパ
腕のリンパの特徴
- わきの下にリンパ節が集まる
- デスクワークなどで動かさないと滞りやすい
腕は日常生活で意外と動かす量が少ない部位です。
腕まわりで大切な考え方
- 肩や肘を動かす
- 手を上げ下げする
- 軽くなでるように触る
腕も、力より動きが大切です。
8. リンパを考えるときに大切な共通ポイント
どの部位にも共通する基本があります。
- 強い刺激は不要
- 痛みはNG
- 短時間でOK
- 呼吸を止めない
- 無理をしない
リンパは「がんばって流すもの」ではありません。
おわりに
リンパとは、
- 体の中の余分なものを回収し
- 静かに、ゆっくり流れ
- とても繊細な仕組み
を持つ、大切な循環システムです。
首・脚・腕、それぞれに特徴はありますが、
共通して言えるのは、
やさしく・動かして・整える
という考え方が基本だということです。
毎日の生活の中で、
少し体を動かし、少し自分の体に意識を向けるだけでも、
リンパにとっては十分なサポートになります。
つづいて、リンパと血液は何が違うのか
― 「リンパを流す」は本当に正しい表現なのか? ―
はじめに
健康や美容の分野でよく聞く言葉に、
「リンパを流す」「リンパが詰まっている」という表現があります。
しかし、
- リンパと血液は何が違うのか
- 本当にリンパは「流してあげる」ものなのか
- 強くマッサージしないと意味がないのか
これらを正しく理解している人は多くありません。
この記事では、
リンパと血液の違いを深く掘り下げながら、「リンパを流す」という言葉の誤解について、わかりやすく解説します。
1. 血液とは何をしているものか
血液の主な役割
血液は、体の中で次のような働きをしています。
- 酸素を全身に届ける
- 栄養を運ぶ
- 体温を調整する
血液は、心臓という強力なポンプによって、
勢いよく、一定のリズムで全身を循環しています。
血液の特徴
- 流れが速い
- 圧力が強い
- 深い部分の血管も多い
そのため、多少の刺激では流れが止まることはありません。
2. リンパとは何をしているものか
リンパの主な役割
リンパは、血液とはまったく違う役割を持っています。
- 余分な水分を回収する
- 老廃物を運ぶ
- 体を守る働きをサポートする
リンパは「運ぶ」というより、
静かに集めて戻すという役割に近い存在です。
3. リンパと血液の決定的な違い
ここで、両者の違いを整理してみましょう。
血液
- 心臓の力で流れる
- 強い圧がある
- 速く循環する
リンパ
- 心臓のようなポンプがない
- 圧がとても弱い
- ゆっくり静かに流れる
この違いが、
リンパケアの考え方を大きく左右します。
4. リンパは「押して流す」ものではない
リンパ管は、
- とても細い
- とてもやわらかい
- 皮膚のすぐ下(約1〜3ミリ)に多い
という特徴があります。
そのため、
- 強く押す
- 深く揉む
- ぐいぐい流す
といった刺激は、
リンパ管をつぶしてしまう可能性があります。
血液と同じ感覚で扱うと、逆効果になることもあるのです。
5. 「リンパを流す」という言葉が生まれた理由
では、なぜ「リンパを流す」という表現が広まったのでしょうか。
理由の一つは、
感覚的にわかりやすい言葉だったからです。
- 体が軽くなる
- むくみが減った感じがする
こうした体感を、
「流れた」という言葉で表現してきました。
しかし、実際には、
👉 人がリンパを流しているのではなく、リンパが自分で流れやすくなる状態を作っている
というのが、より正確な理解です。
6. 本当は「リンパを流す」より「リンパが動ける環境を整える」
リンパが流れやすくなる条件は、とてもシンプルです。
- 皮膚がやさしく動く
- 筋肉が少し動く
- 呼吸が深くなる
つまり、
- さする
- 動かす
- 呼吸する
これだけで、リンパは十分反応します。
7. 血液と同じ感覚でリンパを扱ってはいけない理由
血流をよくする目的のマッサージと、
リンパを意識したケアは、まったく別物です。
- 血流 → ある程度の刺激でもOK
- リンパ → 刺激は弱ければ弱いほどよい
ここを混同すると、
- 強すぎるケア
- 痛みを我慢するケア
につながりやすくなります。
8. 正しいリンパの考え方まとめ
ここまでの内容を整理すると、
- リンパは血液とは役割も性質も違う
- 押して流すものではない
- 強さは必要ない
- 整える意識が大切
ということになります。
「リンパを流す」という言葉は、
イメージとしては便利でも、正確ではない表現なのです。
おわりに
リンパと血液の違いを理解すると、
- なぜ強くしなくていいのか
- なぜさするだけでいいのか
- なぜ無理をしない方がいいのか
が、自然と見えてきます。
リンパは、
- 静かで
- 繊細で
- がんばらなくても働いてくれる
体の大切な循環システムです。
だからこそ、
「流す」のではなく、
「リンパが働きやすい環境を整える」
この考え方を、日常の中で大切にしてみてください。
線維筋痛症療法院 院長 山崎実希子



















