不定愁訴(medically unexplained physical symptoms:MUPS)とは、何となく体調が悪いという漠然とした自覚症状を訴える人が、内科や産婦人科、眼科などの医療機関を受診しても明らかな病変が見つからない状態を言います。患者さんとしては切実な症状も、医療者に“数多い”“分かりづらい”と思われると不定愁訴と判断されるようです。
次のような多岐にわたる身体症状を伴います。
倦怠感や動悸、皮膚のかゆみなどの全身症状、味覚異常、食欲不振、便秘、下痢、肩こりや手足のしびれ、冷え、ひん尿、月経不順、息切れ、めまい、頭痛、筋肉痛、腰背部痛、疲労感、不眠、心身症、など多彩な症状を訴え続ける状態。
「検査正常ですから大丈夫ですよ。大したことないですよ。精神的なものでしょう。」というお話を医療者からされた場合は不定愁訴と判断されているということかもしれません。