話す障害
日常会話は問題がなくできるが複雑な会話は難しいという場合から全く話すことができない場合まで、症状の程度が異なります。主な症状は以下です。
喚語(かんご)困難
言いたい言葉が出てこない状態で、失語症のもっとも目立つ症状です。
- 迂言(うげん)・・・言葉が出てこないために回りくどい言い方をする
- 呼称障害・・・見ているものの名前が出てこない「視覚性呼称の障害」や会話の中で言葉が出てこない「語想起障害」
- 語列挙障害・・・食べ物名を挙げる、「あ」で始まる語を挙げるなどの決まりに沿って似たような言葉をあげるのが困難
健忘失語
日常的な会話の理解はほぼできて会話もできます。
物の名前や固有名詞が言えないことが多いです。言いたいことばが出ずに、まわりくどいいい方になります。
錯語(さくご)
意図とは異なる言葉を言ってしまう状態です。
- 語性錯語・・・「トマト」と言いたいのに「みかん」と言ってしまうようにまるごと言い間違うこと。
- 音韻性錯語・・・「れいぞうこ」と言いたいのに「れいこぞう」と言ったり(転置)「りんご」と言いたいのに「りんと」と言うなど(置換)
復唱障害
相手が言った言葉の復唱が難しくなる状態です。
聞くことの障害
人が話す言葉の音は聞こえていても、言葉の意味が理解ができないという状態です。
日常会話は問題なくできるが複雑な会話や長文になると難しい場合から全く理解できない場合まで、症状の程度が異なります。
読む障害
文字は見えているのに意味が理解できないことや音読することができない、「錯読(さくどく)」という読み間違いが起こる状態です。
錯読(さくどく)
視覚性錯読・・・「月」と「目」のように形が似たほかの文字と読み間違える
音韻性錯語・・・「消しゴム」を「けしもむ」のように単語の音を読み間違う
書く障害
文字が思い出せない、書きあやまる「錯書(さくしょ)」などが起こる状態です。
読み書きの障害
- 純粋失読・・・話し言葉ではあまり問題が無いのに、文字を読むことが困難な状態。漢字のみの失読の場合もあります。
- 失読失書・・・さらに字を書くことも障害され、なぞり読み(手で字の形をなぞることで、視覚ではなく空間的な情報で言葉を理解ができること)も困難となる。
言語性短期記憶障害(ワーキングメモリ障害)
人が言った言葉を覚えていられない。耳から入った言葉を一時的に記憶している状態を言語性短期記憶といいますが、これが障害された状態です。
理解障害
他人が言っていることの意味が分からない。聴覚に問題が無いにもかかわらず話された言葉が十分に理解できない状態です。
計算能力の低下
数字の理解や数字を置く位置、計算のルールなどが存在するため、計算が難しくなることがあります。