慢性疲労症候群(chronic fatigue syndrome: CFS)とは、原因となる疾病が無いにもかかわらず、身体を動かせないほどの疲労が6カ月以上続き、日常生活に支障をきたすほどになる病気です。発症のきっかけとして健康な人がかぜや気管支炎などを患ったあと、かぜに似た症状がいつまでも長引くことで発症するケースが多くあります。
日常生活を送れないほどの重度の疲労感が長期間続く、しばらく休んでも改善がみられない、摂食障害や不眠などを伴うなどの場合、血液検査を含む身体診察や臨床検査(ホルモンの異常、内臓や脳、神経系の検査など)をいくら行なっても異常が見つからないときに慢性疲労症候群が疑われます。
同時に発熱、リンパ節腫大、咽頭痛などの感染症様症状、頭痛、筋肉痛、関節痛、脱力感などの膠原病様症状、睡眠障害、思考力低下、抑うつ、不安などの精神・神経症様症状などの多彩な症状も現れます。
日常生活に支障をきたすほどの疲労感が引き起こされますが、仕事や育児など、疲労の原因がはっきりしている場合は「慢性疲労」であり、慢性疲労症候群には当てはまりません。