離人感(りじんかん)・現実感消失障害(げんじつかんしょうしつしょうがい)・離人症性障害(りじんしょうせいしょうがい)とは、解離性障害(かいりせいしょうがい)の一種です。
この障害では、自分が自己の体から一体性を失って体験されるような症状が体験されます。たとえば、現実感がなく世界との間に透明な膜が張っているような感覚といった抽象的な喪失(そうしつ)する感覚から、自分が自分の身体から抜け出ているような感覚で自分を外から眺めているような体験まで幅があります。
一時的なものであれば、正常な範囲内の解離現象はだれでも経験し得ることですが、毎日、継続的に感じるようになるようであれば生きづらさを強く感じるようになります。
私たちの意識、記憶、思考、感情、知覚、行動、身体イメージ、アイデンティティ(自己同一性)などは1つに統合されていますが、分断(ぶんだん)され、意識や記憶などに関する感覚をまとめる能力が一時的に失われた状態や停止した状態、自己同一性が弱くなったり失われたりした状態を「解離」といいます。
「自分が自分としてまとまっている感覚や自分はこういう存在であるという感覚(自己同一性)」が弱くなったり、失われたりしてしまうことです。